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「dele」(本多孝好) 

本多孝好の「dele」「dele2」を読みました。

山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化もされています。
依頼人の死後にパソコンやスマホのデータを消去することを請け負っている会社を舞台に、謎解きや人間模様、車いすのアクションといろいろ楽しめました。
脚本家も複数、ということで、各話ごとにテイストも違って、ハートウォーミングなものからブラックなものまであり、結末が想像できない感じでした。

小説は、ドラマの原案となっていますが、オリジナルストーリーです。設定も少し違っています。
1冊目の「dele」には5話が収められていますが、その中でも「ドールズ・ドリーム」が一番好き。
5歳の娘を遺して死んでしまうかもしれない女性が、スマホのデータの削除を依頼した話です。





「記憶をあやつる」(井ノ口 馨) 

角川選書「記憶をあやつる」を読みました。

 脳研究の歴史の話から始まり、脳に関する基礎知識、記憶の仕組み、連合する記憶など、脳科学の最新の知見と記憶について詳細にかつわかりやすく解説した本です。
特に最後の章の「記憶研究のフロンティア」のところは、メモしておきたい所がたくさんありました。
そのうちのいくつかをブログに記録しておきます。

●神経細胞の自然発火
何かを考えたり記憶しようとしたりするときには、脳内の特定の部位の神経細胞集団の動きが活発となる。一方、ただ単にぼーっとしている時のほうが、活動が高くなる部位がある。普段は使っていない場所を活性化することで、新しい情報入力や記憶の連合に備えている可能性がある。画期的な着想やこれまでにないアイデアを思いつくのは、そういう時ではないか。
⇒一見無駄に見えるリラックスタイムを設けた方が生産性が上がるのでは。

●記憶は脳の中を移動する
「海馬」は記憶の中枢だが、長期記憶となった記憶は一定の期間が過ぎれば、脳の他の場所に移動させ、海馬からは消し去られる。海馬で生まれる新しい細胞が、海馬から記憶を消去する役割を負っている。
パソコンのハードディスクがいっぱいになると、残しておくべきデータはバックアップ用のハードディスクなどに移して、本体の作業所パソコンからは消去するという作業と一緒。
年をとると、神経再生の能力も落ちるので、海馬がパンク状態になって、新しい情報が来てもそこに書き込めない。容量一杯に近いハードディスクのような状態。
データを転送するのは、ノンレム睡眠の役割なので、睡眠不足は記憶にとって有害。

●記憶はなぜ曖昧になるのか
新しい記憶と古い記憶は、海馬と大脳皮質とに分けて保存されている。
「記憶は思い出すと不安定になる」という論文が発表されている。記憶は、長期記憶になっても、思い出すといったん不安定化して、その後再固定化というプロセスを経て、また元の記憶に戻る。
このことは、新しい知識の形成には役立つが、古い記憶は曖昧になっていく。

脳と記憶、まだまだ分からないことも多い分野で、今後どんな発見があるのか、楽しみです。



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「ある世捨て人の物語: 誰にも知られず森で27年間暮らした男 」 

「ある世捨て人の物語: 誰にも知られず森で27年間暮らした男 」を読みました。

20歳で家を出てから27年間、森の中で暮らした男、クリストファー・ナイトについて、取材をして書かれた本です。
寒い冬をどう過ごしたのか?食べ物はどうしたのか?などの疑問を調べていきます。
食料は、近隣の100軒の別荘地から盗んで暮らしていたので、発見されたのち1000件以上の窃盗の罪に問われます。

著者の興味は、人と会わずに生きるということがどういうことか、ということ。
世界中の「隠者」についての考察の中で、日本の「ひきこもり」についても言及されていました。

ナイトは、別荘に盗みに入るとき、食料だけでなく、本も盗んでいました。
拘置所に面会に来た著者に、好きな作家について語ります。
生きた人との会話はなくても、本の世界で、人間とつながっていたということなのでしょうか。
他人に興味を示さないナイトが、著者に対し一つだけ興味を示して依頼したのは、書棚にどんな本がならんでいるか、ビデオに撮って送ってくれ、ということでした。

興味深かったのは、人間と接しなければ病気にかからない、という話。
ただし、甘い物好き、という嗜好から虫歯だけは防げなかったようです。




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「下町ロケット ゴースト」(池井戸潤) 

池井戸潤の「下町ロケット ゴースト」を読みました。

佃製作所に襲い掛かる危機。
取引先の農機具メーカーから新型エンジンの採用を取り消したいという申し出。
さらに、経理部長殿村の父が病気で倒れ、殿村は、実家の農業を手伝うことになる。
殿村の実家を見舞いに訪ねた佃社長は、トラクターを運転させてもらい、トランスミッションの開発という新たな発想を得る。

ギアゴーストという小さなメーカーの社長、伊丹大と、副社長でエンジニアの島津裕という新たな登場人物も加わり、話はどんどん盛り上がり、一気に読ませます。
最後まで読んでの感想は、続編「ヤタガラス」が待ち遠しい!の一言です。



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「震える教室」(近藤史恵) 

近藤史恵の「震える教室」を読みました。

歴史ある私立女子校の鳳西学園。古いだけあって、いろいろな怖い噂が・・・
高等部から鳳西学園に進学することになった秋月真矢と相原花音。二人の体が触れ合うとき、見えないはずのものが見えてしまう。

小説家をしている花音の母に、ホラー小説を書くための取材を依頼された真矢と花音の二人は、「出る」という噂が代々伝わっているピアノ練習室を見に行き・・・(第一話「ピアノ室の怪」

ほかにも、少女の方の上に見える小動物の正体は?とか、保健室に眠る首がない幽霊とか。
それぞれ、最後に謎が明かされるので、怖いけど、ちょっとすっきりします。

ホラー風味のミステリー?それともミステリー風味のホラー、という感じでした。


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