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今、読みたい1冊 「帰還兵はなぜ自殺するのか」 

「帰還兵はなぜ自殺するのか」は、以前購入したが、読まずに積んであった本。
先日の地震で本棚が倒れ、整理しているうちに、どうしてもこの本を読みたくなって読み始めた。

「帰還兵はなぜ自殺するのか」というタイトルからは、学術的な分析の本かと思い込んでいたが、実際は違った。

登場するのは、イラクに派兵され、本国に帰ってきてからの兵士たち。
同僚の死を身近で体験してしまった者。
自分も爆撃で脳や身体に傷を負い、日常生活が不自由になった者。
誤ったターゲットの襲撃を命令され、幼児を含む無辜の家族を殺し、心に傷を負った者。

国は、彼らを治療するための施設を高額な費用をかけて運営する。
しかし、なかなか治療はうまくいかないのだ。

そして、注目したいのは、この本の主人公たちは、兵士だけではないということ。
兵士の妻たちや子どもたちもまた、大きな傷を負っている。
兵士たちの傷が治ることがないのと同様、彼女たちの苦悩も消えることがない。

夫が戦死したことを知らされた妻。
夫がストレスや傷病で働けなくなっただけでなく、家族へ暴力をふるう日常。
日々自殺を考える夫との暮らし。

戦争は、兵士たちだけでなく、その家族にも大きな悪影響を及ぼすという事を本書はリアルに描いている。
戦場に行かなかった女性たちにとっての戦争、というのが本書のテーマの一つである。

PTSDの兵士たちの治療は極めて困難である。
それなら、そもそも戦争を始めないのが一番の予防ではないか。




「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」は、まだ読んでいる途中だが、どうしても紹介したい部分がある。



本書の第二章「精神科医ビオンの再発見」の項で、ビオンという精神科医の生涯について紹介している。第2次世界大戦で軍医として従軍したときの状況について下記のような記載があった。

(以下引用)
第二次大戦で、将兵がかかる最大の病気は精神疾患でした。これが精神科医の重要性をいやが上にも高める契機になったのです。大戦前の陸軍病院には、わずか二人の精神科医と5,6人の精神科研修を受けた医師がいるのみでした。これが大戦末になると、精神科医は三百人以上に増員されていました。
 今や精神科医の任務は、将兵が精神疾患にかからないようにする予防、そして罹患者の治療、加えてその後のリハビリテーションと、拡大しました。この流れが第二次大戦後の英国精神医学を決定づけたのです。
(引用ここまで)

何ということだろう。戦争によって精神疾患が増えることについては、以前からわかっていたことなのだ。



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パワハラ防止、ハラスメント対策関連の書籍紹介 

職場で、ハラスメントの対応に関わることになり、ハラスメントについての本をあれこれ読んでみました。それぞれ参考になるところがありましたので、紹介します。


1冊目はこちら。
著者は弁護士。事例がまんがで紹介されていてわかりやすい。


グレーゾーンとブラックゾーンに分けて考える。
ブラックゾーンは、パワハラ6類型に当てはまるもの。

職場のパワーハラスメントパの定義は、同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・肉体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為。
「業務の適正な範囲」から逸脱していない言動は、たとえ相手方がパワハラと感じても、パワハラでない。
「6類型」(身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害)のどれかが客観的レベルで含まれている言動は「業務の適正な範囲」を逸脱していることになるから、行為者の主観に関係なく、パワハラと認定される。
客観的レベル=100人いたら100人とも仕事をしていくうえであってはならない言動だと断定するレベルに達しているか否か。


図が多くてわかりやすい。
懲戒処分を行うときの注意点とか、最終目的は、働きやすい職場を作ること、という視点で書かれている。



業種・組織風土ごとのハラスメントの特徴と対策が載っているのが、この本の特徴です。

ハラスメント対策、一朝一夕ではできませんが、地道に取り組んでいきたいです。

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リノベを考えている人が最初に読むべき一冊「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」 

有名ブロガーのちきりんさんが、築20年のマンションのリノベーションを考えたところから、複数の業者に見積もりを依頼したのち、業者を選び、施工してから入居するまでのあれこれを事細かに教えてくれる本。

まずリノベーションとリフォームの違い、から始まる。
そしてリノベ前に理解しておくべき大切なこととして、リノベは顧客とリノベ会社の担当者による共同プロジェクトだということ。
またリノベーションでできること、できないことなどにも言及している。

わが家は今のところ、リフォームやリノベの予定はないが、いずれは考えなくては、と思っている。
その時にこの本は参考にしたい。

~メモ~
「理想の住まい」の具体化のための第一歩として、まず情報収集すること。
ちきりんさんのお勧めは、kindleaアンリミテッドでリノベ雑誌をたくさん見るのが良いそう。気に入った写真はスクリーンショットとして残しておいて、あとからリノベ会社に希望するイメージを伝える時に活用する。
他にはピンタレストというアプリも使える。





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脱獄した死刑囚と関わってしまった人々はどう行動したか?染井為人「正体」を読む 

染井為人の「正体」を読みました。

2歳の幼児とその両親の3人を惨殺し、死刑判決を受けた少年が脱獄した!
名前を変え、姿を変え、逃亡をつづける少年の目的は?
彼と出会ってしまった人々は、正体を知った時、どう行動するのか?

少年と出会った人々の視点で描かれているので、彼の目的は、読者にはわからない。
ページをめくる手がとめられない一冊。




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沖縄を舞台にした冒険小説 「琉球警察」 

伊東潤の「琉球警察」を読みました。

舞台は戦後間もない沖縄。
徳之島出身の東貞吉は、沖縄本島で警察学校に入ります。
しかし、シマンチュと呼ばれる島出身者は、沖縄人(うちなんちゅ)からは差別されるのです。

手柄をあげた貞吉でしたが、奄美本島が日本復帰した後は、給料減額などさらに差別されます。

その後、東京で学び公安としての役割を命じられた貞吉は、米軍が目の敵にする瀬長亀次郎と人民党に対し、スパイ行為を命じられます。
沖縄を取り戻すことを目指している瀬長亀次郎に心酔していく貞吉の苦悩と、悲しい出来事。
その後の展開は、ページをめくる手が止まりません。

久しぶりに冒険小説を堪能しました。
沖縄の人々の苦悩は今も続いていることを忘れないようにしたいです。





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