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人権とは?人間とは?を考えさせられる本「 ゴリラ裁判の日」 

手話を自由自在にあやつり、人間と会話するゴリラのローズ。
アフリカのカメルーンから米国にやってきて動物園で暮らすようになりますが、ゴリラの檻に侵入した4歳の男の子を救うために、夫のゴリラが射殺されてしまいます。
裁判を起こしたローズは勝つことができるでしょうか?

心優しく、ユーモアあふれるローズに読者は魅了されます。
動物よりも人間を優先する社会。
でも、そもそも人間とゴリラの違いって何?
言葉をつかえるゴリラに人権はあるの?

ラストまで一気読みでした。



手話でお話したゴリラの実話はこちら。絵本もあります。


昔読んだ小説。こちらにも手話を使うゴリラが登場します。


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「図解 目標管理入門」は、マネジメントに役立つすごい本 

「図解 目標管理入門 マネジメントの原理原則を使いこなしたい人のための「理論と実践」100のツボ 」は、入門と題してあるが、なかなかどうして奥が深い。

参考文献に出てくる本が、ドラッカーや「7つの習慣」などマネジメント関連の古典だけではなく、「すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力 」のような新しい本まで網羅している。他にもまだ読んでない本がいくつか紹介されており、さっそくAmazonで購入した。

この本を読んでいて、はっとしたのは、
「『理念』は主観と客観の全体を束ねた概念です。理(客観)と念(主観)とを統合することで理念となります。」
というところ。
理念、というとなんだか「思い」=主観だと思っていたが、「理」=客観と合わせて理念だというのは、思い至らなかった。

またMBO=Management by Objectives and Self-controlであり、MBOと略したり、MBOを「目標管理」と訳すと、Self-controlの部分が抜け落ちてしまいがち、というのも気を付けていかなければならない。

本書全体が左ページに本文、右ページに図解という形式で分かりやすいだけでなく、章ごとにまとめがあり、マネジャー、メンバー、経営者、人事担当者それぞれの活用方法についても述べており、いろんな立場の人に役立つだけでなく、個人も職位が変わったらまた読みなおす、という使い方もできそう。

成果を上げるために必要なことがみっちり書いてあるので、読みこんで生かしていきたい。



この本の参考文献の中でこれから読みたい本


同じ著者のこの2冊も気になる。

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ただ居るだけの価値とは?「居るのはつらいよ」(東畑開人)を読む。 

医学書院の「シリーズ ケアをひらく」は、なかなかの名著ぞろいである。今回、その中でも気になっていた一冊「居るのはつらいよ」を読んだ。

大学院で「臨床心理学」を学び、ハカセ論文を書き上げた「僕」は、カウンセリングがメインの業務を探そうとした。
ところが、臨床心理士として常勤で働き、家族を養う給料を得る職場がなかなか見つからない。
ケアじゃなく、セラピーがしたい、というこだわり。
ようやく見つかった沖縄のデイケアに就職したところから、この物語は始まる。

精神科デイケアで出会う個性的な職員たちと利用者たち。
ただそこに居るだけ、がいかに難しいかを知る。

4年間の日々を経て、なぜ辞めざるを得なかったのか、最後に謎解き。
ケアとセラピーの違い、など色々考えさせられる本であった。



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【audible】「月の立つ林で」(青山美智子) 

この頃、読んだことがない作家さんの本を、オーディオブックで初めて聴く、という事が多くなりました。
今回は、青山美智子の「月の立つ林で」を聴きました。

「ツキない話」という月にまつわる話題のポッドキャスト。
タケトリ・オキナという男性により毎朝7時に配信される10分間の番組を聴く人たち。

それぞれの生活の中で、寂しかったり、辛かったり、悩んだりしている人々が同じポッドキャストを聴き、何かを感じる。
そして、何かを見つけていく。
ほのぼのしたり、ほっとしたりする連作短編集。

登場人物たちが、ちょっとだけつながっているのが面白い。

本は読むもの、という先入観はあったが、audibleには、作者の物語を紡ぐ力と、朗読するナレーターの表現力の両方を味わうことができてお得だなと感じている。
たくさんある書籍の中からaudible作品になっている時点で、選ばれている、ということもあるのかも。





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Audibleで「百年の子」を聴く 

オーディオブックaudibleのおすすめに出てきた「百年の子」という小説を聞いてみた。
著者は古内 一絵、 ナレーションは石田 ひかり。

出版社に勤める主人公の明日花は、ファッション誌の編集者として活躍していたが、創業100年記念事業担当の部署に異動させられてしまう。
不本意な異動にモヤモヤしながら過ごしていたが、過去の職員名簿を見ていて、自分の祖母が戦時中、同じ出版社に勤務していたことを知る。
祖母はなぜそのことを自分が文林館に就職が決まった時に言ってくれなかったのか?
明日香は大きな疑問を持つ。
令和に生きる明日花の視点と、昭和の戦時中の祖母の視点を行き来し、日本にしか存在しないという学年別学年誌の歴史を紐解きながら、女性たちの思いを細かく描いている。

戦時中の人々の生活や思い。
戦争賛美の雑誌を作らざるを得なかった出版社。
子どもの人権をどうとらえるか。

さまざまな立場の女性たち、それぞれの感情を描いていて、共感できる部分も多い。
同じ職場で働く未婚の女性と子育て中の女性。
働く母とその子ども。
一時は、相手に対する負の感情を持ったとしても、相手に対する理解とともに、その感情は変化していく。
細やかな描写に引き込まれました。

石田ひかりさんのナレーションもよかった。



オーディオブック、庭仕事しながら聴いてます。
他にもaudibleファーストの小説あるので、聴いてみようかな。



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