「デフ・ヴォイス」「龍の耳を君に」(丸山正樹) 

「龍の耳を君に」を読みました。
「デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士~」の続編です。

「デフ・ヴォイス」は以前読んで、いい小説だなと思ったのですが、ブログに感想を書こうと思いながら、書けないでいました。まずこちらから紹介します。
主人公荒井尚人は、警察での事務という仕事を失い、結婚も失敗した中年の男性。
仕事が見つからない中、自らの技能を生かして手話通訳の仕事を始めます。

コーダ(Children of Deaf Adults)と呼ばれる「ろう者」同士の間に生まれた耳の聞こえる子どもたち。
彼らは、手話を第一言語として生活し、家族の中で唯一耳の聞こえる者として、幼いころから「通訳」の役割を果たすという重荷をしょっています。
頼られる一方で、家族の中では疎外感も味わう、という立ち位置。

手話にも種類があり、手話サークルで学ぶ「日本語対応手話」と、ろう者たちの間で使われる「日本手話」は別物であること。
「ろう者」と自分たちを呼ぶ人たちの、自分たちは「手話」という言語を話す、言語的少数者である、という主張。これも初めて知りました。

荒井は、法廷での通訳の現場で「黙秘権」という概念を理解できない容疑者の立場を裁判官に伝えることにより、「ろう者」という社会的弱者を救います。

ミステリとしてよりも、自分の知らない世界を知ることができるという読書の醍醐味を味わることができる1冊でした。

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)
丸山 正樹

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「竜の耳を君に」では、恋人の娘とその友人である緘黙症の少年に手話を教えます。
こちらも、殺人事件の犯人を追うというミステリとしてよりも「コーダ」としての荒井の生き方を描いている部分が心に残る1冊です。

龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)
丸山 正樹

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「女子的生活」(坂木司) 

坂木司の「女子的生活」を読みました。
1月にNHKでドラマ化されたのを見て、原作を読んでみたくなったので。

地元を離れ神戸で女子的生活を楽しむ小川みき(幹生)のもとに、高校の同級生の後藤が転がり込んできます。
みきは、女の子が好きで、女の子になりたいトランスジェンダー。
アパレルメーカーでは、女装で仕事をして、女の友人と合コンに出かけたりします。

読んでみたら、ドラマのすてきなセリフがそのまま活字になっていて、いい感じ。
あ、逆か。
ドラマが、原作に忠実なのでした。
民放のように1クール13回に縛られないドラマ10の枠だから、本1冊分を全4回で描き切っちゃったわけ。

いい小説があったから、いいドラマになったのですね。
主演の志尊淳くんも、「みき」そのものだったし、後藤もいいやつだし。

ファッションや、みきのビジュアルがそのまま表現されているドラマのほうが、成功しているように思いました。
ドラマを通して、LGBTに対する理解も進んだように思います。
続編もぜひ観たいです。

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坂木 司

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みきの家族との関係のところは、ドラマのオリジナルなんですが、ここもよかったです。
ドラマのDVDも発売されます。現在予約受付中。
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「ネバーホーム」(レアード・ハンド) 

「ネバーホーム」を読みました。

南北戦争時代のアメリカ。コンスタンスは、男装して兵士として戦場に向かいます。
小柄で優しくて家事が得意な夫バーソロミューを農場に残して。

コンスタンスは、鉄砲の腕前を生かして活躍、優しいふるまいから伊達男アッシュと呼ばれるようになります。
周りの男たちは彼女の正体に気づきませんが、大佐だけは見抜きます。

戦闘や、ケガをしての闘病、濡れ衣でとらえられたり、と悲惨な状況の合間に、夫のバーソロミューへの愛情あふれる手紙や、心温まる思い出、そして亡くなった母親との対話が挟み込まれます。

哀しすぎるラストが忘れられない1冊。


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「リーチ先生」(原田マハ) 

原田マハの「リーチ先生」を読みました。
海外のアーチストを題材にした作品をいろいろ書いてきた原田マハ。今回は、日本が舞台です。

イギリス人の陶芸家バーナード・リーチの生涯を、彼の助手として一緒に過ごした亀乃介の視点から描きます。
柳宗悦、濱田庄司といった民芸運動を担った人々や、高村光太郎など白樺派の人々との友情や交流。

日本の文化に魅かれるリーチと、海外の新しい芸術の潮流ゴッホやセザンヌに魅かれる日本人たちとの確執が面白かったです。

分厚いけれど読みやすくて、読み始めたらあっというまでした。

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原田 マハ

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「ゴースト」(中島京子) 

本は読んでいたのですが、なかなかブログに書く時間が作れずにいました。
久しぶりに書きます。

中島京子の「ゴースト」を読みました。
タイトルそのもののゴースト=幽霊話の短編集です。

それでも人ではなくミシンだったり、廃墟だったりとひねりがあるのが中島京子らしいところ。
第4話の「亡霊たち」では、曽祖父の戦争の経験を読書でたどる高校生の話。

一番気に入ったのは、第5話の「キャンプ」でした。
読みなおしたくなる話です。

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中島京子

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