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「月まで三キロ」(伊予原新) 

「月まで三キロ」を読みました。

伊予原新という初めて読む作家さんの本です。
帯に「かつてない感動! 科学のきらめきが人の気持ちを結ぶ六篇の物語」と書いてあり、どんなお話だろう、と興味をもって手に取りました。科学と小説、といえば、「パラサイト・イヴ (新潮文庫)」とかのイメージがありますが、この本はいい意味で裏切られました。

どのお話にも、理系の話題が出てくるのですが、メインは人の心の機微を描いていて、せつない感じの話が多かったです。
それほど幸せじゃない人たちが、科学の世界の端っこに触れる中で、ちょっと人生が変わっていく。
読んでよかった、と思わせる一冊でした。

月まで三キロ
月まで三キロ
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伊与原 新
新潮社
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「カール・エビス教授のあやかし京都見聞録」(柏井 壽) 

柏井 壽の「カール・エビス教授のあやかし京都見聞録」を読みました。
今度、京都に行く機会があるので、京都関連の本を探していて見つけたものです。

日本に来て7年、京都に住んで半年の英国人ミステリー作家カール・エビス教授が、大学の講義の合間に、取材と称して京都の名所や老舗を訪ね歩きます。
同行するのは、大学で助手をしながら、家の中のことも手伝ってくれる九条葵。かつての公家の末裔です。
行った先で出会ったり聞いたりするちょっと不思議な出来事も京都ならでは、という感じ。

釘抜き地蔵に、千本釈迦堂、キッチンパパなど、前回京都に行ったときに訪ねた場所が、何か所も出てきて嬉しくなりました。
どういうご縁か、今度行くことになっているお店の名前も出てきて、びっくりでした。

カール・エビス教授のあやかし京都見聞録 (小学館文庫)
柏井 壽
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「サバティカル」(中村 航) 

中村航の「サバティカル」を読みました。

中村航は、大好きな作家の一人。繰り返し読み返す一番好きな小説については、まだブログに書けないままでいます。

「サバティカル」とは、長期勤続した大学の教員などが、1か月や1年間の長期休暇をもらって充電期間として過ごす制度のこと。
主人公は、転職することが決まったけれど、退職してから新しい職場に入職するまで5か月間のブランクができてしまいます。
この5か月間をどう過ごそうか、同僚を話しているときに「学生のころの夏休みと同じで、だらだらしてるとすぐに終わってしまう。ずっとやれなかったこととか、時間ができたらやろうと思ってたこととか、TODOリストにしてこなしていけばよい」とアドバイスをもらいます。

計画し、遂行する夏休み、として中学校の9教科、一つの教科に一つの課題を、自分でリストを作っていきます。例えば、国語は「ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読む」、社会は「古墳に行ってみたい」、美術は「油絵を描く」という感じ。これらを「Trello」というアプリで管理していきます。

風景スケッチをするために通った公園で出会った老人との交流。二人で将棋を指すことになり、老人の過去について聞きます。
そこから新たな出会いがあり・・・。

本の帯に書いてあるので、ここで書いてもネタバレにならないと思いますが、主人公は「アセクシャル」。他者に対して恋愛感情を持つことができないタイプの人間。彼が前の恋人と別れた理由が明かされていったり、新しく出会った女性との交流の中で変わっていく様子が描かれ、心温まる一冊でした。

中村航ってやっぱり好きだなあ。

サバティカル
サバティカル
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中村 航
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たまたま、こちらの本も同時期に読んでました。
アセクシュアルについて知りたい方は、これを読めばすべて書いてあります。
LBGTはこのごろ広く知られるようになってきたけど、アセクシュアルはまだ知られていないようです。当事者はやはり差別されたり、いろいろつらい思いをしていることがわかりました。知ることは大事ですね。

見えない性的指向 アセクシュアルのすべて――誰にも性的魅力を感じない私たちについて
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「みかんとひよどり」(近藤史恵) 

近藤史恵の「みかんとひよどり」を読みました。

主人公潮田は、フレンチレストランの雇われシェフ。免許を取って始めたばかりの狩猟に行った山で遭難していまいます。愛犬のイングリッシュポインターのピリカとともに死を覚悟した潮田を助けてくれたのは漁師大高とその愛犬マタベー。

レストランのオーナーからはジビエ料理を期待されますが、コンスタントにジビエ料理をだすためには潮田のこだわりがあり、簡単ではありません。

漁師をしている大高に対する何者かの悪意。

「ミステリ」と「レストラン」と「犬」という近藤史恵の得意な3つを盛り込んだ1冊でした。
シリーズ化されるのかな?続きを読みたいです。

タイトルの「みかんとひよどり」ですが、放置された農園のミカンをたらふく食べたひよどりがとても美味しいのだそうです。読んでいてよだれが出そうでした。


みかんとひよどり
みかんとひよどり
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近藤 史恵
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犬が出てくる小説、といえば、やっぱり稲見一良だなあと思い出しながら読んでしまいます。
犬好きの方にはおすすめ!!
セント・メリーのリボン 新装版 (光文社文庫)
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「マカロンはマカロン」(近藤史恵) 

近藤史恵の「マカロンはマカロン」を読みました。
小さなフレンチ・レストラン「ビストロ・パ・マル」を舞台にした短編ミステリ小説集、シリーズ3作目です。

語り手はギャルソンの「ぼく」。フランスの田舎を転々と修行してきた変人シェフの三舟さん、料理人の志村さん、ソムリエの木村さんの4人でやっている小さなお店。
お店にやってくる人たちの過去の人生に、あるいは現在の人間関係に、料理や食材を通してなんらかの解決や影響を与えてしまう三舟シェフってすごい。

美味しそうなお料理が登場するのですが、フレンチには詳しくないので、どんな味か想像がつかないのだけがちょっと残念。

ほろ苦い、でも、心があったまる短編小説集でした。


順番に読まなくても大丈夫なシリーズですが、順番に読みたい方は、この2冊をお先にどうぞ。



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