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「下町ロケット ゴースト」(池井戸潤) 

池井戸潤の「下町ロケット ゴースト」を読みました。

佃製作所に襲い掛かる危機。
取引先の農機具メーカーから新型エンジンの採用を取り消したいという申し出。
さらに、経理部長殿村の父が病気で倒れ、殿村は、実家の農業を手伝うことになる。
殿村の実家を見舞いに訪ねた佃社長は、トラクターを運転させてもらい、トランスミッションの開発という新たな発想を得る。

ギアゴーストという小さなメーカーの社長、伊丹大と、副社長でエンジニアの島津裕という新たな登場人物も加わり、話はどんどん盛り上がり、一気に読ませます。
最後まで読んでの感想は、続編「ヤタガラス」が待ち遠しい!の一言です。



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「震える教室」(近藤史恵) 

近藤史恵の「震える教室」を読みました。

歴史ある私立女子校の鳳西学園。古いだけあって、いろいろな怖い噂が・・・
高等部から鳳西学園に進学することになった秋月真矢と相原花音。二人の体が触れ合うとき、見えないはずのものが見えてしまう。

小説家をしている花音の母に、ホラー小説を書くための取材を依頼された真矢と花音の二人は、「出る」という噂が代々伝わっているピアノ練習室を見に行き・・・(第一話「ピアノ室の怪」

ほかにも、少女の方の上に見える小動物の正体は?とか、保健室に眠る首がない幽霊とか。
それぞれ、最後に謎が明かされるので、怖いけど、ちょっとすっきりします。

ホラー風味のミステリー?それともミステリー風味のホラー、という感じでした。


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「一応の推定」(広川 純) 

東京に出張した時、空いた時間に入った「ブックファースト」で、「PUHS! 1st.」(ブックファーストのイチオシ本)というコーナーがありました。
ブックファーストのスタッフが、多くの既刊本の中から、埋もれてしまうには惜しい本を紹介する、というコンセプト。
私も好きな「ダックコール」や「人間はどこまで耐えられるのか」が選ばれており、興味を持ちました。
その中から2冊ほど選んで、ホテルの部屋で読みました。

1冊目は、広川純の「一応の推定」です。

駅のホームから転落した老人は、事故死だったのか?それとも保険金目当ての自殺だったのか?
老人の孫娘は、海外へ渡航しての心臓移植のための費用が必要な状況。
遺書はないが、カバンが立てかけてあったところから、自殺の可能性も捨てきれない・・・。
ベテランの保険調査員村越が、地道に調査に取り組みます。
その中で見えてきた真実とは?

2006年に書かれた本作と、現在の臓器移植をめぐる状況は異なっていますが、小説としてのこの作品の価値は変わらず、プロとしての矜持を持って「真実」を追及する保険調査員を描き、上質なミステリーとなっています。
この本を薦めてくれた「ブックファースト」の書店員さんたちに感謝。

一応の推定 (文春文庫)一応の推定 (文春文庫)
広川 純

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「たゆたえども沈まず」(原田マハ) 

原田マハの「たゆたえども沈まず」を読みました。

天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと日本人美術商・林忠正の生涯を、フィンセントの弟テオ、そして林忠正の会社の専務、加納重吉の視点から描いています。
フランス芸術アカデミーに牛耳られたパリの画壇。そこに台頭してきた印象派の画家たち。
日本では芸術として認められていなかった浮世絵に価値を見出したパリの人々と、金儲けの手段として利用した画商たち。
フィンセントとテオの兄弟の関係。
そして当時は一部の人にしか認められなかったフィンセントの絵。

誰が実在で誰が架空の人物かなんて、巻末のコメントを見るまで気にしてませんでした。

去年のゴッホ展、見に行けばよかったなあ。
もっと早くこの本を読んでいれば・・・と反省。

たゆたえども沈まずたゆたえども沈まず
原田 マハ

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「デフ・ヴォイス」「龍の耳を君に」(丸山正樹) 

「龍の耳を君に」を読みました。
「デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士~」の続編です。

「デフ・ヴォイス」は以前読んで、いい小説だなと思ったのですが、ブログに感想を書こうと思いながら、書けないでいました。まずこちらから紹介します。
主人公荒井尚人は、警察での事務という仕事を失い、結婚も失敗した中年の男性。
仕事が見つからない中、自らの技能を生かして手話通訳の仕事を始めます。

コーダ(Children of Deaf Adults)と呼ばれる「ろう者」同士の間に生まれた耳の聞こえる子どもたち。
彼らは、手話を第一言語として生活し、家族の中で唯一耳の聞こえる者として、幼いころから「通訳」の役割を果たすという重荷をしょっています。
頼られる一方で、家族の中では疎外感も味わう、という立ち位置。

手話にも種類があり、手話サークルで学ぶ「日本語対応手話」と、ろう者たちの間で使われる「日本手話」は別物であること。
「ろう者」と自分たちを呼ぶ人たちの、自分たちは「手話」という言語を話す、言語的少数者である、という主張。これも初めて知りました。

荒井は、法廷での通訳の現場で「黙秘権」という概念を理解できない容疑者の立場を裁判官に伝えることにより、「ろう者」という社会的弱者を救います。

ミステリとしてよりも、自分の知らない世界を知ることができるという読書の醍醐味を味わることができる1冊でした。

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)
丸山 正樹

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「竜の耳を君に」では、恋人の娘とその友人である緘黙症の少年に手話を教えます。
こちらも、殺人事件の犯人を追うというミステリとしてよりも「コーダ」としての荒井の生き方を描いている部分が心に残る1冊です。

龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)龍の耳を君に (デフ・ヴォイス新章)
丸山 正樹

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