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「記憶をあやつる」(井ノ口 馨) 

角川選書「記憶をあやつる」を読みました。

 脳研究の歴史の話から始まり、脳に関する基礎知識、記憶の仕組み、連合する記憶など、脳科学の最新の知見と記憶について詳細にかつわかりやすく解説した本です。
特に最後の章の「記憶研究のフロンティア」のところは、メモしておきたい所がたくさんありました。
そのうちのいくつかをブログに記録しておきます。

●神経細胞の自然発火
何かを考えたり記憶しようとしたりするときには、脳内の特定の部位の神経細胞集団の動きが活発となる。一方、ただ単にぼーっとしている時のほうが、活動が高くなる部位がある。普段は使っていない場所を活性化することで、新しい情報入力や記憶の連合に備えている可能性がある。画期的な着想やこれまでにないアイデアを思いつくのは、そういう時ではないか。
⇒一見無駄に見えるリラックスタイムを設けた方が生産性が上がるのでは。

●記憶は脳の中を移動する
「海馬」は記憶の中枢だが、長期記憶となった記憶は一定の期間が過ぎれば、脳の他の場所に移動させ、海馬からは消し去られる。海馬で生まれる新しい細胞が、海馬から記憶を消去する役割を負っている。
パソコンのハードディスクがいっぱいになると、残しておくべきデータはバックアップ用のハードディスクなどに移して、本体の作業所パソコンからは消去するという作業と一緒。
年をとると、神経再生の能力も落ちるので、海馬がパンク状態になって、新しい情報が来てもそこに書き込めない。容量一杯に近いハードディスクのような状態。
データを転送するのは、ノンレム睡眠の役割なので、睡眠不足は記憶にとって有害。

●記憶はなぜ曖昧になるのか
新しい記憶と古い記憶は、海馬と大脳皮質とに分けて保存されている。
「記憶は思い出すと不安定になる」という論文が発表されている。記憶は、長期記憶になっても、思い出すといったん不安定化して、その後再固定化というプロセスを経て、また元の記憶に戻る。
このことは、新しい知識の形成には役立つが、古い記憶は曖昧になっていく。

脳と記憶、まだまだ分からないことも多い分野で、今後どんな発見があるのか、楽しみです。



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「その言い方が人を怒らせる――ことばの危機管理術」(ちくま新書) 

 「その言い方が人を怒らせる―ことばの危機管理術 」(ちくま新書)を読みました。
この前参加した研修の講師に紹介されたのがきっかけです。

 言語学のなかでも特に新たな領域として注目を浴びている「語用論」が元になっています。
まずい文例を多く取り上げ、会話の行き違いの理由を説明しています。

 「この件につきまして謝罪いたします」のように余計な「は」があることで、別の解釈が可能になり、聞き手を不愉快にしてしまうことがありますが、このような「は」をどうして使ってしまうのか、について考察しています。
人前で話すときには丁寧に話すように文体をコントロールしているが、この時、省略を復元し、なるべく丁寧に表現しようという意識が、補う必要のない「は」を補わせた、ということ。
短くて簡潔な言い方は、「ぶっきらぼう」に感じられるため、文を早めに閉じることに対する心理的な抵抗によるものだそうです。

 他には、「空気を読む」の空気を「場の持っている空気」と「人が作り出す空気」の二つに分けて考えてみたり、「ロゴス」と「パトス」についても述べられています。

 ことばを学問として扱うだけあって、「日本人」のあとに、カッコづけで(正確には日本語を母語にして日本語の共同体で生活している人たちというべきだが、まだるこしくなるので簡略に記すことをお許し願いたい)と断り書きをしているところが、印象に残りました。

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「ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム~」 

今日は「ビブリオバトル~本を知り人を知る書評ゲーム~」をご紹介します。

「ビブリオバトル」というのは、おすすめの一冊を持ち寄り、本の魅力を紹介しあう書評ゲーム。
ルールはたったの4つ。

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2.順番に一人5分間で本を紹介する.
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

これだけです。
準備するものは、カウントダウンタイマーだけ。
司会をする人は、何の準備もいりません。

京都大のとある研究室で始まったこのゲームが、あっという間に全国に広まったのは、このゲームの魅力が新しい本との出会いがあることに加え、本を紹介する人の個性や知識、背景に関する相互理解が深まることにあるようです。

小説仕立てでビブリオバトルのやり方を紹介する第一章に始まり、ビブリオバトルがどう始まったか、そしてどう広まって行ったかが書いてあり、この1冊を読むだけで、自分もビブリオバトルを開催できるような気がしてきます。

面白いなと思ったのは、「ビブリオバトルにおける語りは二次創作のようなものである。」(155ページ)というフレーズ。
1冊の本について語ることは、著者の思いだけでなく、読んだ人の思いも加わって、さらに深くなっていくということなんですね。

近くでビブリオバトルをやっているところがないか、さっそく検索してしまいました。
誰かを誘って、自分で企画するというのもいいかもしれません。

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「監督・選手が変わってもなぜ強い? 北海道日本ハムファイターズのチーム戦略」 

「監督・選手が変わってもなぜ強い? 北海道日本ハムファイターズのチーム戦略」を読みました。
私は野球についてはあまり詳しくなく、試合も年に一回家族と地元の球団の試合を見に行くぐらいなのですが、この本は、面白く読めました。

野球の勝ち負けの話ではなく、スポーツビジネスの話で、日本ハムという野球チームとそれを支える人たちが、どうやって成功していったか、という内容です。
スポーツビジネスとはどういうものか、試合収入をどうやって伸ばしたか、スポンサー収入の重要性とどうやってスポンサーを見つけ、長く契約してもらうようにするか、グッズ販売による収入などについて述べています。
スポーツビジネスの独特なところもありますが、他の業種でも従来やってきたから、ということではなく、何が大切なのかを見なおして、同じ金額をかけるのでもより有効なところに投資するというのは、見習わなければならないと思いました。

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以前読んだ「エスキモーに氷を売る」では、アメリカNBLの最弱プロバスケットチームを、売上高500%増、27球団中チケット収入伸び率1位にまで導いた話が出てきて面白かったです。このチームは最弱で人気のないままでも、売上を伸ばしていくのです。
地元のチームがいくら人気がなくても、リーグ戦ですから人気あるチームと対戦するときにはたくさんの観客が訪れる、ということで、いろんな作戦でチケットの売上を伸ばしていくわけです。
スポーツマーケティングに興味を持たれた方はこちらもどうぞ。

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「武器としての決断思考」瀧本哲史 

昨日は成人の日。ということで、若い人に読んで欲しい本を紹介します。
瀧本哲史の「武器としての決断思考」は、帯に「20代に読みたい思考の教科書」とあるように、著者が京都大学で二十歳前後の学生に教えている「意思決定の授業」を一冊に凝縮した本。

自分の人生を自分で決めていくために、「答えではなく答えを出す方法を学ぶ」ということ。
ディベートのルールを紹介し、議論をするためは、適切な問いをたてることが必要。
論点について、それぞれ「メリット」と「デメリット」をあげ、それについて反論していく方法などについて述べている。

意思決定のプロセスにおいて大事なことを順をおって書いてあり、人生のいろんな場面で決断を迫られるときに役に立つかもしれません。

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同じ著者の「武器としての交渉思考」、こちらもおすすめ。
この本のほうが、たくさん付箋が貼られています(笑)
今日は時間がないので、この本の内容については、後日紹介しますね。
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