「王とサーカス」(米澤穂信)
米澤穂信の「王とサーカス」を読みました。
「さよなら妖精」の主人公太刀洗万智がジャーナリストになって登場します。
2001年のネパール。6年間勤めた新聞社を辞めた太刀洗万智は、雑誌の取材の下調べのために、ネパールに降りたち、地元の少年をガイドに町の様子を少しずつ味わっている。
突然起きたネパール王宮の銃撃事件にジャーナリストとして興奮しながら取材に奔走するが、取材した相手が殺されるという事件が起きて・・・。
タイトルの「王とサーカス」には、当事者とニュースを消費する側の深いみぞ、そして取材する側に対する複雑な思いが込められています。
ラストは伏線をすべて回収して、米澤穂信らしい終わり方でした。
去年話題になった「満願」よりは、こっちのほうが好きです。
それより小市民シリーズの「冬」はいつ出るのでしょうか?
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「さよなら妖精」はこちら。これを読んでいなくても、「王とサーカス」は楽しめますが、いちおう紹介しておきます。
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- [2015/11/15 20:35]
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「折れた竜骨」米澤穂信
米澤穂信「折れた竜骨」を読みました。
「このミステリーはすごい2012年度版」で2位ということだったので、これは読まなくては、と。
十二世紀末の欧州。ロンドンから3日も北海を進んだあたりにあるソロン諸島。
その地の領主エイルウィンの娘アミーナは、旅の騎士ファルク・フィッツジョンとともに、父の死の謎を追う。
小舟以外に近づく手段がない小ソロン島での言ってみれば密室殺人。魔術の使い手である暗殺騎士が犯人だというが、いったい誰なのか。
マジャール人の女や、魔術師もいる怪しげな傭兵候補者たち。雇い人たちだって怪しい。
ファルクは、魔術による殺人に対し、調査と思考の結果、論理的に犯人を割り出していく。
ファンタジーとミステリの両方が楽しめる小説。
ファルクの従士の少年ニコラは、映画版「ハウルの動く城」のマルクルのイメージでした。
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- [2012/02/13 21:54]
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「ふたりの距離の概算」米澤穂信
米澤穂信の「ふたりの距離の概算」は、古典部シリーズの最新作。
折木奉太郎たちも二年生になり、古典部も一人の新入部員大日向を迎える。しかし、仮入部だった彼女は入部締切りの直前になって、入部を取りやめるというのだ。
学校行事のマラソン大会の一日、奉太郎は、走りながら情報を収集し、入部をやめる理由を探る。
二人の距離、というのは遅れてスタートした一年生との距離のこと。一年生と話す前に、千反田えるや他の部員たちから話を聞かなくてはならない。走りながら、短時間で情報を得るには、どう質問すればいいのか考えたり、一年生部員のこれまでの言動を思い返してみたり、と忙しい奉太郎。
「夜のピクニック」とはまた違った高校生活がここにある。
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「インシテミル」米澤 穂信
米澤穂信の「インシテミル」、文庫化されたので、読みました。
アルバイト求人誌に、「一週間の短期バイト。ある人文科学的実験の被験者。一日あたりの拘束時間は24時間。期間は7日間。拘束時間には、すべて時給を支払う。」とあり、なんと時給が「1120百円」。
集められたのは12人の男女。地下にある「暗鬼館」という密室で監視されながら、殺したり、殺されたり、犯人を見つけたりしたら、ボーナスとして報酬が増えるという。
参加者たちは、疑心暗鬼になりながら、それぞれの思惑にもとづいて行動するが・・・。
読んでいてゾクゾクしました。
これまでの穂信とは全く違う作風です。
途中で一息おいて、いろいろ考えたんですが、予想があたったところもあれば、全然わからなかったところも。
子どもたちも読みたがっていますが、期末試験が終わるまで、預かっておくことにします。
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- [2010/06/20 21:37]
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「秋期限定栗きんとん事件」米澤穂信
米澤穂信の「秋期限定栗きんとん事件」読みました!
「小市民シリーズ」の第3弾です。
小佐内さんと離れ、別の女の子と付き合いだした小鳩君。
小佐内さんもまた、新聞部の2年生男子生徒と・・・。
小鳩君は「ぼく」、そして連続放火事件を追いかける新聞部の瓜野君は「おれ」という一人称で、交互に話が進んでいきます。
ネタバレになるといけないので、これ以上は書きませんが、「春期限定いちごタルト事件」「夏季限定トロピカルパフェ事件」と同様、いやそれ以上に読み応えのある1冊(上下なので2冊か)でした。
![]() | 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) 東京創元社 2009-02 by G-Tools |
![]() | 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) 東京創元社 2009-03-05 by G-Tools |
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- [2009/03/29 13:14]
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