もし犯人が自分と同じ名前だったら? 下村敦史の「同姓同名」
下村敦史の「同姓同名」を読みました。
6歳の女の子が殺害された事件の犯人は16歳と未成年でしたが、一部のマスコミが実名を報道してしまいます。
実名はSNSであっという間に拡散し、犯人と同姓同名だった何人もの「大山正紀」の運命を変えてしまうことになります。
少年犯罪の実名報道の是非。
被害者のプライバシーの報道の是非。
ネットで詳細が特定されてしまうこと。
そしてそれが誤っていることもあること。
そして、何より、SNSで人を裁くことの是非についてこの作品は読者に問いかけているのではないでしょうか。
複数の大山正紀が登場し、どの大山正紀か、混乱させようという作者の思惑にしっかり振り回された読者でした。
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- [2021/08/01 18:09]
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少年たちの遺体を探す旅と猟奇殺人犯「コープスハント」(下村敦史)
下村敦史の「コープスハント」を読みました。
8人の女性を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人犯が、「1件は俺の犯行じゃない」「真犯人の遺体を隠してきた」と衝撃の告白。
遺体を探す旅に出たユーチューバーの3人の少年たちの旅と、真犯人を一人で追う女性刑事とが交互に描かれます。
予想のつかない展開と結末に驚かされた1冊でした。
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- [2021/07/22 11:15]
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「法の雨」(下村敦史)
仕事で忙しくて余裕がない日々が続きました。週末には、心に栄養を!と仕事と全く関係のない小説が読みたくなります。
この週末に読んだ小説(のうち1冊)をご紹介します。
下村敦史の「法の雨」。
日本の検察が起訴したら99.7%の有罪率の日本で、無罪判決を繰り返し、検察に大きな脅威を感じさせた裁判官嘉瀬清一。
彼は判決を言い渡したのち、法廷で倒れてしまいます。
無罪になった看護師が、殺したとされるのはやくざの親分。
のちに看護師はやくざに殺されます。
一方、念願の私立大学医学部に現役合格した幸彦は、入学金が支払えない、という現実に直面。
無罪判決でメンツをつぶされた検察官大神は真実を求め、夜の街に乗り出します。
真実は何だったのか・・・
いろいろな出来事がリンクして最後に真実が分かるというミステリとしても楽しめましたが、それだけではなく「成年後見制度」の闇に迫る力作でした。
成年後見制度ってこんな怖い制度だったんですね。初めて知りました。興味のある方は読んでみてください。
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- [2021/02/28 17:05]
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「生還者(下村敦史)
下村敦史の「生還者」を読みました。
前に読んだ「失踪者」と同様、山岳ミステリです。
ヒマラヤ山脈カンチェンジュンガで、雪崩事故に巻き込まれて亡くなった兄の遺品のザイルには、切断された跡があった。
一方、雪崩事故の生存者が2名発見されたが、それぞれの言い分が全く食い違う。
真相はどこにあるのか。
兄の死の真相を突き止めるため、増田直志は女性記者とともに、雪崩からの生還者の後を追って山へ・・・
謎が次々と出てきて、それがラストに向かって少しずつ解決されていきます。
山の描写は「失踪者」のほうが迫力があったかな。
登場人物は別々の小説ですが、登山家たちが集う店がこちらにも登場しました。
もう少しこの作家を追っかけてみようと思います。
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- [2017/08/02 22:06]
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「叛徒 」(下村敦史)
下村敦史の「叛徒」を読みました。
山岳ミステリの「失踪者」が面白かったので、こちらも読んでみました。
七崎隆一は、新宿署の翻訳捜査官。
主人公と妻、息子、義父の4人の幸せそうな家族の朝食の風景から始まりますが、義父の自殺後、家族はばらばらに。
家族を犠牲にしてまで正義を貫いた七崎ですが、中国人殺害事件の第一発見者の捜査の通訳の際、自分の息子を守るために、誤訳をし、一人で捜査を始める羽目に・・・
翻訳捜査官、というなじみのない職種が主人公で、殺人事件の捜査の中で、中国人研修生の悲惨な状況を描き、「正義」とは何かを語るという盛りだくさんな趣向の小説で、読み応えがありました。
他の作品も読んでみよう。
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- [2017/07/21 22:00]
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