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対立の解消のための2冊の本、どちらから読むか? 

紛争解決のためのファシリテーションについて、大御所が書いた2冊の本がほぼ同時に発刊されました。

アダム・カヘンの「共に変容するファシリテーション――5つの在り方で場を見極め、10の行動で流れを促す」と、アーノルド・ミンデルの「対立の炎にとどまる――自他のあらゆる側面と向き合い、未来を共に変えるエルダーシップ」です。

日々の現場で、対立する人々の間に立ち悩んでいる自分にとって、何らかのヒントが得られるのではないかと期待してしまいます。

2冊のそれぞれ、前がきと序文を読んだところですが、どちらを先に読もうか、迷っています。

  

じっくり読んだ方がいいように思うので、読書会のように対話しながら読むのもいいかもしれません。

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「対話型ファシリテーションの手ほどき」(中田豊一) 

「対話型ファシリテーションの手ほどき」を読みました。
副題が「国際協力から日々の日常生活まで、人間関係をより良いものにするための方法論」です。
薄い小冊子なのですが、中身はぎゅっと濃くて、得るものがいろいろありました。

途上国援助の現場、という人種も立場も文化も異なる人たちと、どうコミュニケーションをとり、現地の人たちが一方的に援助されるのではなく、自ら動き出す、そしてそれが継続するにはどうしたらいいか、という大きな悩みから生み出した質問の技法です。

「なぜ?」と聞かれると人は理由を考えたり、言い訳を考えたりします。
「どうですか?」「どうでしたか?」と聞かれても、何を答えたらいいかわからず、戸惑ってしまいます。
「いつもは?」ではなく、「今日は何時に起きましたか?」とか「今日は何を食べましたか?」と聞くと事実が返ってきます。
事実を聞く質問を重ねる中ではじめて、お互いに見えてくるものがある、というのがこの本の手法の極意のようです。

基本技能のまとめ
●5W1Hのうち、「なぜWhy」と「どうHow]を徹底的に避け、「何」「いつ」「どこ」「だれ」の4つの疑問詞を使う。「いくつ」や「いくら」もOK。
●「なぜ?」「どうだった?」と聞きたくなったら、事実を聞く質問の置き換える。どう置き換えたらいいかわからないなら、とりあえず「いつ?」と聞いてみる。
●「~したことがありますか?(経験)」「~を知っていますか?(知識)」「~を覚えていますか?(記憶)」というようなイエス・ノーで
簡単に答えられる質問をする。イエスならさらに「いつ?」などの質問でつなげていく。
●事実のほとんどは過去の出来事。「どう対処しますか?」ではなく「どう対処しましたか?」と過去形で聞く。

他には、答えが出るまで待つこと、相手がこたえられる質問をすること、など当たり前ですが、ふだんなかなかできていないことが書いてあります。

結論まで言わせずに、最後は相手に考えさせる、というテクニックも深いです。

他にも役に立ちそうなことが書いてあり、おりにふれ読みなおしたい本です。



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「世界で一番やさしい会議の教科書 実践編」 

「世界で一番やさしい会議の教科書 実践編」を読みました。

このごろ、参加する会議が増え、そのなかにはグダグダな会議があって、これを何とかしたい!という思いが募っています。
自分がファシリテーターを任される場合は、事前に打ち合わせをして、ゴールを確認して、進め方を決めることができるんですが、ほかの人が司会の担当の時は事前準備ができなくて、もやもやしています。そういう時は、さっさとホワイドボードに書いてしまえばいい、ということがわかってきました。準備が不十分になりそうな会議は、早く準備するよう担当者への声かけをすることにしています。

「世界で一番やさしい会議の教科書 実践編」は、その名の通り、かなり具体的に会議の進め方のコツやポイントについて述べています。
前に出た「世界で一番やさしい会議の教科書」は、小説仕立てで面白く読ませるものでしたが、「実践編」は、ストーリーはなく、体系的に述べられています。

「会議の8つの基本動作」で述べられているそれぞれの基本動作は、当たり前だけれど、なかなか実行するのは難しい。一つずつでも実行していくしかないのでしょう。
発言を書かない会議は「目隠し将棋と同じだ」なのだそうです。なるほど~。

先週は、「こんな準備ができていない会議の司会は私にはできません」と断って、そのかわりホワイトボードにすべての発言を書き留めてみました。今何を話しているのかが可視化されることで、いつもよりも議論が前向きになったような気がします。遅れてきた参加者にも、これまでの発言が書き残されていることで、雰囲気がつかめたのでは、と思いました。
会議終了後に、ホワイトボードの写真を撮っていた人は私以外に一人でしたが、メールで送って、と頼まれていた様子。もっと多くの人が写真を撮りたくなるような板書ができたらいいな。

「よくある18の困り事と対策」や「ファシリテーション浸透の6パターン」についても述べられていて、何度も読み返して、いろんな場面で活用していきたいと思います。

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「会議」や「ファシリテーション」関連の本、探してみたら何冊も持っていたので、少しずつ紹介していこうかと思います。
その中で実際の会議も、変革していくつもりです。


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「学び合う場のつくり方――本当の学びへのファシリテーション」(中野民夫) 

「学び合う場のつくり方――本当の学びへのファシリテーション」を読みました。

本書は4章からなり、第1章では、「大学での参加型授業」として、東工大での少人数クラスのグループワークの様子などを紹介しています。
大教室での講義型の授業では、私語やスマホを見ていたり居眠りをしていたりする学生が、少人数のグループワークを行うことにより、必然的に参加型の学びになるという仕組みです。
教室の空間の作り方、グループ分けの仕方など、試行錯誤の末に出来上がったであろうやり方が具体的に書いてあるので、これから企画する人たちにとってはとても参考になります。
自己紹介の仕方は、A4用紙を4つに折って、それぞれの枠にマーカーで答えをキーワードで書きます。
4つの問いは、「どこ(出身)から来た誰(名前、呼ばれたい名前)」「好きなこと、得意なこと」「東工大に入っての第一印象は?」「夢(人生の、大学での)」。
最初に紙に書いてから話すと、話も明快で簡潔になり、グループ替えをしたときもこの用紙が使えるわけです。
その後のやり方は、ワールドカフェ方式で、講義で学んだことや読書で得たことをシェアしていきます。

今どきは大学でこういう授業があるのですねえ。
今後、何かを人に教える時は、こういうやり方を試してみたい、と思いました。

第2章は、ファシリテーションの基礎スキル。
これは大学の授業だけではなく、一般的な会議でも役立つもの。
以下、メモ代わりに内容の抜粋です。

ファシリテーションの5つの基礎スキルとして①場づくり、②グループサイズ、③問い、④見える化、⑤プログラムデザイン、を挙げています。
オリエンテーションのOARRというのも紹介されていました。
O=Outcome、どこまで行くのか、ゴール、目的と目標。
A=Agenda、どのように行くのか、大まかな流れ、プログラム。
R=Role、そこにいる全員の役割
R=Rule、参加の心得、グランドルール、お約束。

導入は、大人を対象にした場では、「チェックイン」が有効。「どういう人がどういう思いでここにいるの?」というお互いの思いを満たすために、全員が一人ずつ簡潔に話すやり方。初対面の人がいれば自己紹介を兼ねるが、おなじみのメンバーでも近況とか今の気分を話すと後がスムーズになるのだそうです。これは日常の会議にも取り入れてみたい。

ファシリテーターにとって大事な最初の「問い」の立て方は、次の5原則。
・共通で触発的な問いから
・身近で具体的な問いから
・ポジティブで楽しい問いから
・自分の体験から始める
・裁かれる恐れのない問いから

ワールドカフェを企画するときはいつもこの「問い」の立て方に悩みます。
次の時は、これを参考にしてみます。

第3章、第4章は、マインドフルネスや山伏の修行の紹介。
この部分は減らして、1章と2章だけで半分の値段にしてくれたら、何冊か買って周りの人に配りたい感じの本でした。

学び合う場のつくり方――本当の学びへのファシリテーション学び合う場のつくり方――本当の学びへのファシリテーション
中野 民夫

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「問題解決フレームワーク大全」(堀公俊) 

先日、堀公俊氏のファシリテーションの講座に参加したのですが、スライドを撮影しようとしたら、「写真撮らなくていいです。この本に全部書いてありますから」と言って、紹介されたのが、こちら「問題解決フレームワーク大全」です。

さっそく購入して読んでみました。
「フレームワーク大全」という名前の通り、たくさんのフレームワークが紹介されています。
すでに知っているものも多かったのですが、こうやってまとめてあると、どれを使おうか、と探すときに便利ですね。
それぞれについて参考文献もついているので、この本を読み返してみよう、とか、今度読んでみよう、という本も増えました。

何回も読み返して使うことになりそうです。

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これは前に買った本。途中までしか読んでいないかも。
なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン リサ・ラスコウ・レイヒー 池村千秋

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「ワールドワーク」というのは初めて聞きました。
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これも面白そうです。


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