fc2ブログ

パンデミックや感染をテーマとした小説でおすすめは? 

「首都圏パンデミック」を読みました。

致死的なウイルスが長崎の島で発生します。住民が次々と死亡し、医療が追い付きません。
航空機内でウイルス感染患者が次々発生し、途中で着陸しようとしますが、断られ、東京を目指します。
感染者を助けるのか、首都圏を守るために非常手段をとるのか。
いろんな場面が次々と展開し、登場人物も多いですが、混乱せずに読み終えました。



「首都圏パンデミック」もそれなりに面白かったんですが、パンデミックや感染をテーマにした小説で以前に読んだもののほうが、もっと面白かったなあ、と思ったので、何冊かご紹介します。

篠田節子の「竜と流木」
高野和明の「ジェノサイド」
この2冊は以前、ブログで紹介しています。



古いですが、小松左京の「復活の日」も細菌兵器によって、人類が絶滅の危機に瀕する、というストーリー。
草刈正雄主演で映画にもなりました。
映画と原作と少し違うところがあるんですが、この映画もよくできています。
公開当時映画館で観て感動。30年経っても覚えているシーンがあります。
Amazonプライムビデオで無料で観ることができます。



パンデミックもので、私のイチオシは、「夏の災厄」(篠田節子)です。
対応が後手に回る行政の様子などリアルに描かれています。
夏になるとこの本を思い出して怖くなります。



↓ブログランキング参加中。よかったらご協力をお願いします。 
にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村 

「竜と流木」(篠田節子) 

篠田節子の「竜と流木」を読みました。

太平洋に浮かぶ小さな島ミクロ・タタでは、泉の守り神として愛くるしい両生類「ウアブ」が住民から守られていた。
米軍を退役した父と日本人の母をもつジョージは、「ウアブ」の研究をしながら、半年は両親のいるグァムで過ごし、あとの半年は英語教師として日本で働いている。
ウアブを愛するジョージは、開発のためウアブが島の泉で生息できなくなること知り、別の島メガロ・タタにウアブを移住させる。
その後、メガロ・タタでは、真っ黒なトカゲのような生物に人が襲われ、致死的な感染症を発症することが相次ぎ・・・

島の原住民の暮らしと、リゾートにやってくる裕福な人々の暮らしの対比。
人間の営みによって失われる生物の種の保存。
異なる環境に移された外来種の影響。
そして、島に古くから伝わる伝説。

篠田節子はいろんなジャンルの小説を書いていますが、こういうパニック小説の第一人者ですね。

竜と流木竜と流木
篠田 節子

講談社 2016-05-25
売り上げランキング : 289702

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


こちらもおすすめ。
夏の災厄 (角川文庫)夏の災厄 (角川文庫)
篠田 節子

KADOKAWA/角川書店 2015-02-25
売り上げランキング : 97359

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


↓ブログランキング参加中。よかったらご協力をお願いします。 
にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村

「ブラックボックス」篠田節子 

先日、久しぶりに高校時代の親友に会いました。
それぞれの近況を語り合ったのですが、彼女が今面白い本を読んでいる、と紹介してくれたのが、篠田節子の「ブラックボックス」です。

深夜の寒い工場で、サラダの盛り付けをする労働者たち。その多くは海外からの研修生で劣悪な環境に置かれている。彼女たちは寮生活で三食を会社が提供する食材を食べているうちに体調が悪化する。

新しい農業の姿と称し、ハイテクな工場で作られる野菜。無菌状態で作られる野菜には、殺虫剤も不要。畑で作られる野菜より安全という触れ込みで、学校給食にも使われていくが、実は大きな落とし穴があった。

深夜のサラダ工場のパートとして働く栄美。農家の跡継ぎで新しい農業の形を模索したが、結局企業に踊らされた剛。栄養士として子どもたちの健康を守るために働く聖子。3人の目を通して、「食」と「環境」の危機を描いた作品。


これは小説だから創作だよね、そうであってほしい、と思いながら読みましたが、現実はどうなのでしょう。
買ってきて食べる食材や外食産業で提供されている食品が、どういうところで、どのようにして作られているのか私たちにはわからない。
未来の子どもたちに安全で安心な食べ物を保障するには、私たち大人が、農業や環境の問題について無関心でいてはいけないのだと思います。TPPに参加したら、遺伝子組み換え食品の表示制度がなくなってしまうわけですから、もってのほかです。

ブラックボックスブラックボックス
篠田節子

朝日新聞出版 2013-01-04
売り上げランキング : 49838

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング参加中です。今日は何位かな?
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

夏の夜に怖~い本を・・・「夏の災厄」、「天使の囀り」 

今日はほんとに暑いですね~。こんな夜は、読んでいて涼しくなるようなとびきり怖い小説をご紹介します。

一冊目は、篠田 節子「夏の災厄」(文春文庫)。
郊外のニュータウンに発生した伝染病。それは、撲滅されたはずの日本脳炎だった。住民はパニックになり、行政の対応は後手に回る。
この本を読んで以来、夏になると思い出して怖くなります。

4167605015夏の災厄
篠田 節子
文藝春秋 1998-06

by G-Tools


もう1冊。こちらも怖いですよ~。
貴志 祐介「天使の囀り (角川ホラー文庫)」。
新聞社主催のアマゾン調査隊に参加したメンバーが次々と謎の死をとげる。それも、それまで一番おそれていたものによって・・・。
恋人の死の原因を調査していって、たどり着いた真相は・・・。
ネタバレになるので、これ以上書きませんが、読んで損のない一冊です。
この本で貴志 祐介のファンになった方は、「クリムゾンの迷宮」もどうぞ。


404873122X天使の囀り
貴志 祐介
角川書店 1998-07

by G-Tools

角川ホラー文庫のほうは画像がなかったので、単行本のほうを載せました。文庫はこちらからどうぞ↓
天使の囀り (角川ホラー文庫)
貴志 祐介
4041979056