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「笑って死ねる病院」テレビ金沢 

「笑って死ねる病院」は、終末期医療を実践するある病院の取り組みをテレビ局が取材して書いたノンフィクション。「NNNドキュメント」で放映されたものに、新たに取材した事例を加えて出版されました。

ドキュメント番組を作るきっかけとなったのは一本の電話。
近所の居酒屋の店主の奥さんから、告知を受け、死ぬ前に姉に会いたい、という夫の願いを病院の人たちがかなえてくれるので、姉と再会するところをニュースにしては、という情報提供でした。
この様子を夕方ニュースの特集で放送したら好評だったので、このあとも、終末期の患者の希望につきそう病院
を取材し、全国放送の番組にしたのだそうです。

終末期の患者の願いを聞き出してそれを叶えようとするのは、社団法人石川勤労者医療協会・城北病院。差額ベッド代をとらず、経営が厳しいところは、経費節減で頑張っている様子や、地域住民とともに病院をよくしていこうと努力しているところも描かれます。
また、現在の医療制度の問題点についても、指摘しています。入院患者の診療報酬(病院の収入)が入院3ヶ月を過ぎると減らされること、差額ベッド代をとらないと病院の経営が大変なこと、など・・・。

患者さんたちの最後の願いは、「パチンコに行きたい」だったり、「自分の墓を見てみたい」だったり、「最後に自宅の庭を見たい」だったり、とそれぞれ異なります。
患者さんの願いを聞き出し、それを実現する病院スタッフ。「おでかけ」と呼ばれる患者さんとの外出は、無償であり、スタッフたちは自分の休日を利用しての、ボランティアなのです。

願いがかなった時の患者さんたちの笑顔。
番組をインターネットで観ましたが、素晴らしい笑顔でした。

こういう病院が実在することを、多くの人に知ってほしい。
神様のカルテ」に感動した方も、感動できなかった方も、ぜひこの本をお読み下さい。

4847065026笑って死ねる病院 (ワニブックスPLUS新書)
ワニブックス 2009-10-08

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↓番組の方は、こちらで見ることができました。
http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-4253.html

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「月光浴」旭爪あかね 

「月光浴」は、「稲の旋律」の続編。「稲の旋律」は、私の大好きな小説でこのブログでも、はじめのころに紹介記事を書いています。⇒おすすめの本「稲の旋律」

「稲の旋律」は、引きこもりだった千華が、農家の青年晋平と出合い、農業と触れ合う中で変わっていく様子を往復書簡の形で描いていました。千華のその後を描く本書「月光浴」も、なかなか読みごたえのある一冊でした。
農業大学の卒業生の仲間たちを描いた「風車の見える丘」とも登場人物がリンクしています。

一歩踏み出そうとしながらも、新しいことに挑戦したあとは、朝起きられなくなってしまう千華。
農業をやっていきたいのに、農業だけでは食べていけず、農薬でアトピーが悪化してしまう新。
新の友人でトラック運転手の靖は、過労の末、事故を起こしてしまう。
トラック運転手の過労の実態を探ろうと、ルポライターの榛名は調査を始め、千華も協力しようとするが・・・。

明るい話ばかりではなく、それぞれがつらい状況に陥ったりもするのですが、少しずつ明りが見えてくるような感じがいいですね。

表題の「月光浴」は引きこもりから抜け出している途中にある千華のセリフから。

  「なんだかね。太陽の陽射しが降り注ぐ明るい場所には、まだまだなかなか行けそうにない感じがするんだ。外に出るには出たんだけど……月の光を背中に受けて、薄闇のなかをとぼとぼ歩いているみたい」
  「月光浴だね」

自身も引きこもりの経験がある作家だからこそ書ける苦悩からの再生の物語。
弱い者への温かい目線がとても心地よいです。
千華が身近に感じられて、彼女の人生を応援しながら読み進めていました。
大切な人に読んでもらいたい一冊です。

4406053042月光浴
新日本出版社 2010-01-20

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未読の方は、「稲の旋律」をお先にお読みください。
4406028781稲の旋律
新日本出版社 2002-04

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「アフリカの風―サバンナ・生命の日々」小倉寛太郎 

小倉寛太郎さんは、日本航空の労組委員長を務め、時間短縮や大幅賃上げを獲得しましたが、その後カラチ、テヘラン、そしてナイロビと長期の海外勤務をさせられました。山崎豊子の「沈まぬ太陽」の主人公、恩地元のモデルとなった方です。
実際の経歴は、小説の恩地元とは若干違うのですが、会社からの嫌がらせに屈せず、自分の信条を貫きとおしたというのは本当です。

定年退職後に、写真業、著述業を本格的に始め、写真集や本を何冊か書いています。

私が持っているのは、「アフリカの風―サバンナ・生命の日々」。
アフリカ、サバンナの動物たちの写真集です。
群れで移動していたり、木の上で昼寝していたり、壮大な自然の中の動物たち。
出産直後の母子、獲物を狙う真剣な眼差し、交尾するライオン。
そして動物たちの背後の朝、昼、夕と表情を変えるアフリカの空がとても美しい。
アフリカに出かけることはできないけれど、この写真集を開くと、いやされます。

動物好きな方にはたまらないと思います。

4104416010アフリカの風―サバンナ・生命の日々
新潮社 2000-11

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実は、私が持っているのは、サイン入り。
2001年に、小倉さんの講演を企画したことがあり、その時にサインしてもらったのです。
小倉さんは、ジェントルな感じで、とても素敵な方でした。
「自分が辞めることで喜ばせたくない人たちを喜ばせ、悲しませたくない人を悲しませる結果となる」という言葉は、講演を聞いた私たちの心に残りました。
仲間がいたからこそ、過酷な境遇にも耐えられたのでしょうね。


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「蟹工船」ドラマCD 

あの「蟹工船」がドラマCDになりました。
娘からの情報で、発売直後にAmazonで入手できました。

中村悠一さん、石田彰さんといった人気の声優さんたちが熱演しています。
蟹工船という、海の上での工場での過酷な労働。人間扱いされない労働者たち。
見せしめのために、暴力をふるわれたり、病気になって見捨てられたり・・・。
最後には、団結することで現実を変えることができることに気がつくという明るいエンディングに救われます。

ドラマCDというのは、初めて買いましたが、効果音や音楽なども入っていて、朗読とはまた違った面白さがありますね。

原作では労働者たちの中で特に主人公となる人物は登場してこないのですが、このCDでは、沢木と耕介という2人の人物を登場させています。この二人の造形によって、ドラマCDという形での「蟹工船」は成功したと言ってよいでしょう。

声だけで、「蟹工船」の世界を表現しているのは、さすが、プロの声優さんたちですね!

B001ET6BYU蟹工船
イメージ・アルバム
インディーズ・メーカー 2008-10-23

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未読の方は、こちらもどうぞ。原作本です。
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二


Amazonで詳しく見る
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「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」 

「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」は、イタリアのベストセラーの邦訳。

飛行機のトラブルでたまたま立ち寄った「キルギシア」という国での経験を、母国イタリアに住む友人たちに伝える10通の手紙からなる。

たとえば・・・
キルギシアでは、人々は一日に3時間しか働かない。
残りの時間は、眠ったり、食事を楽しんだり、創作活動をしたり、愛し合ったり、人生を楽しんだり、自分だけの時間を過ごしたり、子どもたちや仲間たちと交流したりして過ごす。
充実している人は、嫌々やっている人が1週間かけて出来る以上の仕事を1時間でできてしまうから、短時間の労働ですむのだ。

政治家はボランティアであり、給料はそれ以前の仕事でもらっていた給料のままなので、政治的な腐敗はない。

子どもたちは、学校で勉強するのではなく、遊びながら、自分の興味のあることを学ぶ。

広告をやめたら、ものの値段が半分になった・・・

そのほかにも、男女関係、老人問題、武器と平和、犯罪と警察、などいろいろな問題について、キルギシアでの新しい社会のあり方が次々と紹介されていく。

手紙を受け取った友人たちは、はじめは信じないが、次第にキルギシアの人々の人間らしい生き方に惹きつけられ、自分の生き方や周りを変えようとし始める。

それほど長くはなく、すぐに読み終えることができる本だが、いろんなことを考えさせられる本である。

一人でも多くの人にこの本を読んでもらいたい。アジアの真ん中にあるというキルギシアという国。日本の未来がこの国に近づけたら素敵だと思う。

4838718888誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国
シルヴァーノ・アゴスティ
マガジンハウス 2008-06-26

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