「怖い絵」中野京子 

中野京子「怖い絵」は、16世紀から20世紀の西洋名画を「恐怖」というキーワードで読み解いた本。
「怖い絵」「怖い絵2」「怖い絵3」と三部作である。

ホガースの「グラハム家の子どもたち」のように、一見すると愛らしい4人の子どもたちの絵なのに、よく見ると死のシンボル、大鎌を持つ天使像や、砂時計が端の方に描かれていたり、猫に狙われて羽ばたくカゴの中の鳥がいたり、と妙なものが一緒に描かれている。この子どもたちの中のひとりが、絵が完成してまもなく死んだことなども明らかにされると、最初の印象とは全く違った絵に見えてくる。

他のどの絵も、この本の文章を読む前と後とでは、見え方が変わってくるのが、なんともすごい本である。
人間の感情のうち、「恐怖」には、こんなにもたくさんの種類があるのか、と思い知らされた。

映画が登場する前は、大きな絵を見ることは人々にとって、大きな娯楽であったようで、一つの絵の中に物語が書きこまれているようなものもあり面白い。

学生時代の美術の教科書に載っていた名画も取り上げられている一方、ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」のような教科書には載らないような絵にも出会うことができた。

小説は寝る前に読むとやめられなくなるので、この本をちょっとずつ読もうとしたら、怖くて眠れなくなりそうだった。

怖い絵
怖い絵中野 京子

朝日出版社 2007-07-18
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