「レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち」 

石井光太「レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち」を読む。

ノンフィクションライターの石井光太が、インドを3回訪問して取材した最底辺の人々の悲惨な生活の様子を描いたもの。
題名の「レンタルチャイルド」は、女乞食が赤ん坊を抱いている方が儲かるため、マフィアに金を払って誘拐された子を借りてくることがある、という話から。著者はこの話の真偽を確かめるために、マフィアに会おうとするところからストーリーが始まる。

女乞食たちに貸し出される子どもたちが大きくなったら?
やはり物乞いで暮らしていくしかなく、マフィアによって体を傷つけられることもある。

貧しい者たちがより貧しい者から搾取し、虐げられた人びとが、より弱い者を虐げる。
救いのない世界。

マフィアに密着するなど、危険な目にもあいながらの取材だが、金を払うことを条件に取材を進めていく著者の態度になんだか違和感を覚えた。
現実を知らせることで世の中を変えよう、という立場ではなく、興味本位で貧しい人々の生活をあらわにする著者の姿勢が残念だと思いながらも、この本を一気読みしてしまった自分にも自己嫌悪を感じ、なんとも後味の悪い本なのだった。

4103054522レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
石井 光太
新潮社 2010-05

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インドの話を読むなら、「スラムドッグ・ミリオネア」の原作本となったこちらのほうがおすすめ。
4270102772ぼくと1ルピーの神様 (ランダムハウス講談社文庫)
ヴィカス スワラップ 子安 亜弥
武田ランダムハウスジャパン 2009-02-20

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コメント

う~む、いやな設定ですねぇ。レンタル・チャイルドって、何かと思っていました。

ディックさんへ

ディックさん、こんばんは~。
この著者は他にも、外国の障害者の状況を取材して書いた本を出していて読んだことがあるのですが、なんだかなあ、という読後感で、感想の記事を書いていません。

本書では、著者がガイドとして雇った物乞いの男が、その後、仕事を得て住むところや家族ももつという、サクセスストーリーだけが救いです。他は、生まれおちた境遇が悪ければ、一生悲惨な境遇から抜け出せない貧困の連鎖が描かれていて、読んでいて暗くなります・・・。

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