「遺体―震災、津波の果てに」石井 光太 

「遺体―震災、津波の果てに」(石井 光太)を読む。

昨年の大震災で、釜石市は津波で大きな被害を受けた。この本は、震災の直後から二ヶ月後までの釜石の様子を、遺体を取り巻く人々の言動や感想を通して描いたノンフィクションである。
民生委員をしていた千葉氏は、葬儀社での仕事の経験を生かして、遺体安置所の運営を手伝う。
医師会の会長は、県警から呼び出され、遺体の検案の仕事をひたすら行う。
歯科医師たちは、身元確認に役立つよう、ご遺体の歯の状態の記録をしていく。
捜索や、遺体の搬送を請け負った人々。
涙を流しながら読経をした僧侶。

多くの人々が、身近な人々の死を知りながら、自分の置かれた立場で自分にできることを最大限行った。

身元がわからないままの遺骨。
彼らが忘れ去られてしまうのが一番つらい、という安置所で聞いた言葉。
この本は、震災の犠牲者たちが忘れ去られないための役割を持った一冊となるだろう。

遺体―震災、津波の果てに遺体―震災、津波の果てに
石井 光太

新潮社 2011-10
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実は、この著者の本は、何冊か読んでいます。
そのうち感想を書いたのは、↓の一冊だけ。
「レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち」
他にも「物乞う仏陀 (文春文庫)」「感染宣告――エイズなんだから、抱かれたい」、も読んだのですが、後味が悪く、感想を書かないでいました。「遺体―震災、津波の果てに」は、これまでの著作とは違い、おすすめの一冊です。ただし、震災で直接、あるいは身近な人が被害を受けた方は、読まないほうがいいかもしれません。辛すぎます。

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コメント

ご無沙汰してます。
私もこの本読みました。手が止められず、体が震えて、でもやめられず一気読みしました。
石巻に住んでいながら、津波被害のない場所でした。あまりに悲惨な現状をいろいろ聞いていたので、つらいけどいい本に巡り合ったと思ってます。

ほっそさんへ

ほっそさん、こんばんは~。
コメントありがとうございます。

震災後、石巻には行っていないのですが、先日、石巻在住の方の話を聞く機会がありました。今もって厳しい状況にあるのですね。
住民の立場に立った復興をこれからは考えていかなければならないと思っています。

ほっそさんは、石巻の人たちにもっと笑顔が増えるためには何が必要だと思いますか?

もうすぐ一年ですね・・・

震災関連本はたくさん出ていますが、「遺体」というショッキングなタイトルで書店で目にする度に気になって立ち読みしていました。私が目にした震災以上に辛い現実があり、目をそむけたくなるけど、私たちは知らなきゃいけないし、忘れてはいけない痛みですよね!と最近思っています。

みゃおマムさんへ

みゃおマムさん、こんばんは~。
コメントありがとうございます。

震災関連本、たくさん出ていますね。
地元の新聞社が出した本、薬剤師さんの活躍に焦点を絞った本、各地の医療機関に取材して書いた本、いろいろ出ています。

あの時起きたすべてのことを知ることはできない。それでも忘れないために、語り継ぐことも大事。

そして、復興については、いろんな視点で考えていく必要があると思っています。
今、住む所に不自由している人たち。仕事がなくて困っている人たち。そして未来に生きる子どもたちのために、何ができるか、考えていきたいと思っています。

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