【ノンフィクション】「新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で」 

『ドラッグラグ』とは、海外ではふつうに承認され使われている薬が、日本国内では、厚労省による販売の認可が下りないために、使用できない状態のこと。
「新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で」では、『ムコ多糖症』という非常に稀な難病の治療薬が、日本ではなかなか認可が下りず使用できない問題を取り上げている。
『ムコ多糖症』の患者は、国内に300人ととても少ない。海外で認可された薬が国内で使用できるようになるためには、通常、日本国内での治験(薬が安全に使用できるかどうかの試験)を行わなければならない。しかし、患者さんの数が少なすぎることにより、国内での治験が難しい。製薬会社側も、売り上げが期待できないことから、積極的になれない。
そうした状況の中、治療できずに病状が進行し、幼い命が失われていくことに我慢できないと、患者さんの家族を中心に声をあげはじめた。
テレビ局も患者さんの人数の少なさに、始めはドキュメンタリーとして番組で取り上げることにも難渋したという。

渡米して治験に参加した患児と家族の苦労。
ドキュメンタリー番組を見て、「ムコ多糖症」のことを知り、応援を始めた音楽アーティスト。彼らは、売名行為ではないかという誹謗中傷にもめげずに、応援しつづけている。
いろいろな活動を通じて、ムコ多糖症の患者さんへの支援の輪が広がり、この本が9月に出版されたあとの、2007年10月にようやく、「ムコ多糖症2型」の治療薬が、認可された。
通常の新薬が認可されるより、はるかに早く。

「卵巣がん体験者の会・スマイリー」代表の片木さんは、こう語っている(本書p79)。
>「病気になってからでは遅いんです。ガンになってから活動を始めるのは、並大抵のことではありません。本当は、今、健康な人たちにこそ『ドラッグラグ』の問題に取り組んで欲しいですね。より良い医療って何なのか、健康なうちから考えていかないといけないと思います」

バイアグラのような、生命維持に関わらない薬はスピード認可されたのに、抗がん剤や、ムコ多糖症の薬のように、命に関わる薬がなかなか認可されない仕組み、おかしいと思う。

新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で
湯浅 次郎


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