【ノンフィクション】「境界を生きる 性と生のはざまで」 

「境界を生きる 性と生のはざまで」を読む。

毎日新聞で連載の「境界を生きる」というシリーズを本にしたもの。
生まれつきのホルモンの異常や、染色体の異常により、見た目の性別と染色体上の性別が違ったり、あいまいだったりする「性分化疾患」。
身体的な性別と心理的な性別が一致せず、体に強い違和感を覚えて悩む「性同一性障害」。
性同一性障害は、ドラマなどで取り上げられることもあり、知っている人も多くなってきたと思うが、「性分化疾患」はまだまだ知られていない。

この本を読んで衝撃的だったのは、これらの疾患の人々の悩みは深く、自殺を選択する人が多い、ということだ。
今の日本では、男性には男性の、女性には女性の生きづらさがあるか、性別で悩む人々は、それらを超えた「生きづらさ」がある。自分で選んだのではない生まれつきの疾患により「死」を選ばざるを得なかった人々の悩みはどれだけ深かったのだろう。
日常生活においてちょっとした書類にも「男・女」の記載欄があり、こういう書類を記入するたびに大きなプレッシャーを受けることだろう。アイデンティティーの問題でもある。
学校生活も男子、女子とはっきりわかれて過ごすことが多く、登校することが苦痛になる。
就職や、法律面、治療にかかる費用など、いろんな面で差別や困難にぶちあたる。

本書では、先進的な例としてカナダの取り組みを紹介している。
彼らにどう対応していくか、ということが「人権」を守る国かどうかの試金石なのかもしれない。

ブログの記事では、この本の内容を十分に紹介できなくてもどかしく感じている。
この本の最後は、「無関心という『罪』をこれ以上深めてはならない。」という一文で締めくくられている。
ぜひ、多くの人にこの本を読んで、理解を深めてほしい。

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毎日新聞「境界を生きる」取材班

毎日新聞社 2013-02-26
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コメント

こんにちは。
興味あって、図書館から借りてきました。読んだら感想更新しますね。

一気読みしてしまいました。衝撃の一冊でした。

ほっそさんへ

ほっそさん、
さっそく読んでくださってありがとうございます。
読み終えて、一人でも多くの人にこの本を読んでもらいたい気持ちになったのは、久しぶりでした。
感想読ませてくださいね。

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