写真家宮崎学の本「死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る」 

宮崎学という写真家の「死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る」は、子供向けだが、なかなか鋭い内容の本。
表紙は、死んだ魚をヤドカリが食べている写真。
中をめくっていくと、道路で車にはねられた動物たちの写真が続く。
圧巻なのは、車にはねられたキツネ。死んだキツネの体から、まずダニが逃げ出していく。
アスファルトの上の死がいは、そのままでは干からびてしまう、と、写真家はキツネを近所の土手に運び、ロボットカメラをセットし、1時間に1枚ずつ写真をとっていくことにした。
ハエやスズメバチがやってくる。2週間してウジがわくと、ハクビシンがやってきてウジを食べる。だからハエが増えすぎない。イノシシもやってきて肉を食べる。
さまざまな生き物たちに食べつくされ、キツネはやがて、土にかえってゆく。

自分たちよりも大きな体の昆虫やカエルを、砂の中に埋めて、地面の中でゆっくり食べるアリたち。
かわいいシジュウカラも、冬には他の鳥の死がいを食べる。

「死を食べる」ということは、人間にも無関係ではなく、最後のページは、人間用に加工される魚たちをとりあげている。

「生きている」ということは、他の生物の命を食べているということ。
死ぬことも、死を食べることも、いのちと同じくらい大切なのではないか、と問いかける。
環境や、生命について、考えさせる良書だ。

403526220X死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉
宮崎 学
偕成社 2002-02

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コメント

はじめまして。
先日はブログにコメントを頂き、ありがとうございました。

この本、すごいリアルな写真なので手に取る人、スルーする人、
いろいろいると思いますが、写真だけで判断しないで、
内容を読んでいただければ、目からうろこの作品なんじゃないかと思います。

他にもいろいろ本などをご紹介しているんですね!
後でじっくり見させていただきますね。
今後もどうぞよろしくお願いします。

たびたびすみません、どんぐりぼうやです。
先ほど、別の記事を読ませていただいたのですが、
もしかして岩手出身なんでしょうか?
実は私の出身も岩手なので、勝手に親近感を覚えてしました。
ただそれだけなのですが・・・(笑)
また来ますね。ではでは、失礼します。

どんぐりぼうやさん、
コメントありがとうございます。
(お返事遅くなり、すみません)

この本、図書館の返却棚で見かけて、題名がすごいんで手にとって見たところ、図書館のお姉さんが、「それ、おもしろいですよ~」と声をかけてくれたんです。
(2002年出版の本で、Amazonでも新品では手に入らないようなので、気になった方は、図書館などで探してみてください。)

さて、出身の話ですが・・・
お察しの通り、岩手の出身です。
岩手を離れてからの人生のほうが長くなってしまいましたが、故郷はいつまでも岩手です。たまに岩手の方言を口にして職場の人に通じなかったり、なんてこともあります。

同郷のよしみで、また遊びに来てくださいね。

図書館で立ち読み

はじめまして。足跡からきました。
この本、数年前に図書館で立ち読み!しました。
今でも印象に残っています。
テーマが重いのになぜか辛い気持ちにはなりませんでした。

また遊びに来ます!

土鍋ごはんさん、こんばんは。
ブログを見に来てくれてありがとうございます。
ほんとに印象に残る本でしたね。

これからもよろしくお願いします。

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