「チャイナフリー:中国製品なしの1年間」
「チャイナフリー:中国製品なしの1年間」は、中国製品を買わないと決意したアメリカの一家の一年間の記録。著者は経済ジャーナリストのサラ・ボンジョルニ。
2004年のクリスマスの朝、子どもたちへのクリスマスプレゼントの山にMaid in Chinaの文字が溢れすぎていたために、翌年の1月1日からの一年間中国製品をボイコットする、という誓いを立てたのだ。
実際に始めてみると、多くの困難にぶち当たる。子ども向けの靴は、もうアメリカ国内では作っていないという事実が判明する。サングラスをなくしてしまっても新しいものが買えない。子どもたちが欲しがるキャラクター入りのおもちゃは、すべて中国製だ。
プリンタの修理ができずに苦労したり、ハロウィーンの扮装は手作りしたり、といろんな苦労が登場する。プレゼントされたものは、仕方ない、というルールにしたために、どうしても子どもが欲しがるものは、親戚に話してプレゼントしてもらう、という裏ワザまで登場する。
中国製品を買わないということから起きる様々なハプニング、家族や親せき、友人たちとのあれこれを面白おかしく書いてあり、一気に読ませる。
はじめは非協力的、と思われていた夫のケビンが1年の間に、変わっていくのも興味深い。
苦労はするけれども、どこで作られたものかにこだわるということで、不要な物を買わなくなる、というメリットはあったという。安い中国製のものを買わない代わりに、高価なヨーロッパ製のものを買うはめになっても、それほど家計には響かなかったらしい。
著者らは、中国製のものを買わないというだけで、どれだけ日常生活が不便になるか、という壮大な実験を通して、国内の産業がいかに空洞化しているかを実感するのだ。
米国産の子ども靴が買えない、という事実は驚愕である。中国からの輸入をストップしたら・・・アメリカの子どもたちは履く物がなくなってしまう!?
このままでは、日本もアメリカと同じようになってしまうのだろうか?
日本でも中国製品は氾濫している。
100円ショップでも、大手のスーパーでも、多くの製品は中国製だ。
しかし、よく探すとまだまだ日本製のものも売っている。
すべての中国製のものをボイコットするのは無理でも、選べるのなら国産のものを選ぶ、というのも一つの方法かもしれない。気がついたら、国内の物づくり産業がすべてなくなっていた、なんてことにならないようにしたいものだ。
![]() | チャイナフリー:中国製品なしの1年間 雨宮 寛 今井 章子 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
↓いつもご協力ありがとうございます。

- 関連記事
-
- 「買物難民―もうひとつの高齢者問題」 (2008/11/02)
- 「チャイナフリー:中国製品なしの1年間」 (2008/08/31)
- 「フリーダム・ライターズ」原作本 (2008/07/21)
- [2008/08/31 15:29]
- 読書(ノンフィクション) |
- Trackbacks(2) |
- Comments(4)
- この記事のURL |
- TOP ▲
コメントの投稿
トラックバック
- この記事のトラックバックURL
- http://peacemaker9.blog113.fc2.com/tb.php/350-a8defdda
チャイナフリー:中国製品なしの1年間
書評リンク - チャイナフリー:中国製品なしの1年間
『チャイナフリー:中国製品なしの1年間』 サラ・ボンジョルニ
チャイナフリー:中国製品なしの1年間posted with amazlet at
コメント
「中国製を買わないって、すっごく難しいだろうなー」と思います。
好んで買ってるわけではないけど、どうしても行き当たってしまいます。衣料品とか・・。
先日ソニーの電化製品を買って、アクセサリを純正のソニーにしようかエレコムという純正でない会社にしようか迷ったのですが、なんと、純正ソニーはMade in Chinaでエレコムはmade in Japanだったんです!
「なんかヘンなのぉおお」と合点がいきませんでした。
ちなみにエレコムを買ったのですが・・。
そうそう。
『聖☆・・』ですが、私はブッダが「偶像崇拝禁止しとけば良かったよ・・」というシーンが好きです。
日本にいるより、米国のほうが中国製品に囲まれているらしい、ということがこの本を読んでわかりました。ふつうに買い物をすれば、多くのものが中国製になってしまうらしいこと。中国製でないものを買おうとするとものすごく苦労するようです。
ヨーロッパ製の高いものを買うか、中国製には質が及ばないがより安いその他のアジアやラテンアメリカのものを買う、という選択肢しかないようです。
本書に、トヨタの車以外は、日本製のものが登場しなかったのが不思議でした。
家電などは、結構日本製のものが入っているのかと思っていたものですから。
「偶像崇拝禁止しとけばよかったよ・・・」のところ、いつも太めに描かれていると悩んでいるブッダがかわいい・・・。
牛くんの母さん☆こんばんは
昔は日本製のおもちゃや電化製品がアメリカでたくさん売られていたのに、今ではほとんどないということも驚きでしたね。
ここまで輸入製品に頼る生活って、やっぱりおかしいですよね。
無駄な買い物をブッダに追及されそうになって「パジャマにするから!」と叫ぶイエスが大好きです。(^o^)/
Rokoさん、コメントありがとうございます。
アメリカみたいにならないように、選べる時は国産品を選ぶ、という生活に変えていかないといけないのかもしれませんね。ユニクロとか日常の衣類とかはどうしても中国製品を買ってしまいますが・・・。
せめて食料だけでも国産品を買いたいものです。産直野菜を契約して利用したり、スーパーで買う時も、野菜などはなるべく近い産地のものを買うように心がけています。