「みんな一緒にバギーに乗って」 

新刊が出れば、必ず買ってしまう作家というのは、誰でもあるのだろうが、私の場合、川端裕人はそのひとりだ。

「みんな一緒にバギーに乗って」は、保育所が舞台で、主人公は新人保育士の田村竜太。こういう小説ってこれまでなかったような気がする。私も保育所には、長い間お世話になったので、なつかしく思いながら読ませてもらった。

やたら子どもあしらいがうまい不審者(?)と散歩中に出会ったり、「コロチュ(殺す)」と口にする子どもの謎、子どもたちの遊びの中からうまれた「ハチオオカミ」というオリジナルのキャラクターなど、いろんなエピソードが登場し、どの話も読ませる。

男性保育士ならではの悩みも興味深く読んだ。若いころは「おにいさん」のような役割でいいが、その後、「おとうさん」の代わりにはなれない。では、どうしたらいいのか。先輩の女性保育士と同じ保育ではなく自分ならではの保育、というのはどういうものなのか・・・。
また、男性保育士ということで、不安に思う父母と対決したり、職業が保育士であるために、彼女の父親に結婚を反対されたり、といろんな苦労があるのだ。

連作短編なので、もう一人の新人男性保育士や、女性の新人やベテランの保育士の視点からえがかれた章もある。

保育所民営化の話や、保育士の給与が安いこと、など、現在の保育をめぐる問題点にも着目している点が、この小説の価値を高めていると思う。

同じ著者の「ふにゅう」も間もなく文庫化されるとのこと。こちらも早く読みたい。

みんな一緒にバギーに乗って (光文社文庫 か 46-1)みんな一緒にバギーに乗って (光文社文庫 か 46-1)
川端 裕人


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この本に出てくる元気せんせいが、めざしているのは、絵本「ダンプえんちょうやっつけた」に出てくるような保育園なのだろうか。この絵本の紹介は、また今度。
ダンプえんちょうやっつけた (絵本ぼくたちこどもだ 2)ダンプえんちょうやっつけた (絵本ぼくたちこどもだ 2)
古田 足日

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コメント

(*`・ω・)ノ゙ Hello♪

長男には保育士が似合ってるのになぁ。
と勝手に想像してしまう母ですw
朝読書用には、やっぱ文庫サイズが良い。
しかも、バス通なので取り出しやすい。
この本も¢(∇≦ )メモメモ

ポチッ

なみさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

私の知り合いにも保育士を目指している男子大学生がいますよ。
これからは、性別関係なく、やりたい職業に就く時代だと思います。

保育士と言えば・・・
子どもたちに人気の小説「都会のトム&ソーヤ」シリーズには、保育士を目指すボディーガードが登場します。武道の達人でありながら、保育士を目指し求人雑誌をよみ、公園で一人でシャドー保育をやっているという変わった人物です。
このシリーズの本は、小中学生におすすめですよ!

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みんな一緒にバギーに乗って (光文社文庫 か 46-1)

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  • [2008/09/22 17:27]
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