「男一代菩薩道―インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺」 

「男一代菩薩道―インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺」を読む。「聖☆おにいさん」をきっかけに、仏教関係の本を物色していたときに出会い、ずっと気になっていた本。ようやく読むことができた。

現代のインドの仏教の頂点にいる一人の日本人男性、佐々井秀嶺。
日本をはなれ40年の間、仏教の復興運動のために、インドで活動してきたという。

釈迦はインド生まれだが、その後インドでの仏教は、すたれてしまい、インドの人口の8割がヒンズー教徒。ヒンズー教には、カースト制度があり、現在でも過酷な差別が残っている。

アンベードカルという人(最下層のカーストの出身だが、大学に行き、弁護士の資格をとり、大臣にまでなった)が考えたのが、仏教に改宗することによりカーストの差別システムから抜け出すという方法だ。

佐々井師は、カースト制度の最下層にいる「不可触民」という虐げられた人々が、人間性を取り戻すために、仏教徒に改宗するという年に一度のイベント「大改宗式」の責任者をつとめる。
百万人もの人々が一同に集い、これまでの宗教=ヒンズー教を捨て、仏教徒になることを誓うのだ。
この風景を取材しながら著者は、今までにない取材者としての充実感を味わう。

宗教家として生きる道を、日本で寺を守る職業宗教ではなく、インドで人々を救う行動する宗教を選んだ
佐々井師。地元の人たちに尊敬され、仏教の遺跡を発掘し、命がけで現行の政府と闘う姿に、胸を打たれた。

本書は、テレビディレクターがノンフィクション番組を作るために、単身インドに乗り込み、佐々井師とその周辺を取材した様子を描いたもの。一人の男の生き方と、取材しながら彼に魅せられていく著者。久しぶりに秀逸なノンフィクションを読んだ。


佐々井師は、現在、44年ぶりに日本を訪問中だという。この時期にこの本と出会えたのも、何かの縁だろう。筆者は、今回の来日を再びノンフィクション番組にするために取材中らしい。このような良質のノンフィクションは深夜にしか放送されないだろうが、録画してぜひ見たい。

男一代菩薩道―インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺男一代菩薩道―インド仏教の頂点に立つ日本人、佐々井秀嶺
小林 三旅

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佐々井秀嶺という人の生き方をさらに詳しく書いたのが、こちら。
新書なのに上下2段組みで、すごいボリュームの本。こちらも読みたくなった。
破天 (光文社新書)破天 (光文社新書)
山際素男

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「アンベードカルの生涯」。こちらも気になります。
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コメント

牛くんの母さん☆こんばんは
わたしも「破天」と「アンベードカルの生涯」を読んでみたいと思ってます。

最近フランスでロマ(ジプシー)の人たちを排斥するという動きがあって、これもまた気になっています。
どうして差別が生まれるのかって事に疑問を持ち続けなければいけないなぁと思います。

Rokoさんへ

Rokoさん、こんばんは~。
コメントありがとうございます。

佐々井師の日本訪問についてのドキュメンタリー番組、見逃してしまいました。深夜の番組は、地方の局は放送時間が違ったりして、なかなか観られません。
でもまたノンフィクションの本になるのかもしれませんね。

差別の問題、人間として無視してはいけないこと。これからも考え続けていきたい問題です。

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