FC2ブログ

「自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心」 

「自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心」を読みました。

自閉症と診断され、日常会話にも苦労している東田直樹さん本人が、パソコンを利用することにより表現する力を身につけ、自閉症に関する質問に対する回答をパソコンを通して表現したもの。

自閉症の人の不思議な行動の意味がよくわかりました。
そして、周りから見ると困った行動も、本人は好きでやっているのではないこと。脳が勝手に命令していて、やめたいのにやめられない状況になっているのだそうです。
時間の感覚や、記憶がほかの人とは違っていること。
自分のために親が悲しむことがつらい、ということなどが表現されていて、外見からはわからない彼らのつらさや悲しさが伝わってきます。

「自閉症についてどう思いますか?」という質問に対し、答えた文章の中の「太古の昔からタイムスリップしてきたような人間なのです。」という一節が強く印象に残っています。

ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。
NHKの映像もあわせてどうぞ。

自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心
東田 直樹

エスコアール 2007-02-28
売り上げランキング : 97

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


「続・自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない高校生がたどる心の軌跡」は、高校生になった東田直樹さんが書いたもの。前作よりも多くの質問に対する答えがえがかれています。。

続・自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない高校生がたどる心の軌跡続・自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない高校生がたどる心の軌跡
東田 直樹

エスコアール出版部 2010-10-10
売り上げランキング : 650

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


以前読んだ小説ですが、「くらやみの速さはどれくらい」もとても素敵な小説です。
近未来が舞台で、自閉症者のルウが主人公。彼は仕事も趣味も持って暮らしているけれど、脳手術で自閉症を治すことを勧められ・・・、というお話。21世紀の「アルジャーノン」に例えられることも多いようです。おすすめですよ~。

くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)
エリザベス・ムーン 小尾 芙佐

早川書房 2008-12-10
売り上げランキング : 308668

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


↓ブログランキング参加中。よかったらご協力をお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ

「錯覚の科学」(文春文庫) 

文春文庫「錯覚の科学」(クリストファー チャブリス ダニエル シモンズ)を読みました。

読む前は、「錯覚」というと、だまし絵のような動いていないのに動いているように見える絵とか、同じ長さなのに違う長さに見える線、などが登場するのかと思いましたが、そういうものではなく、この本で扱っているのは、人間の感覚がいかにいい加減か、という話でした。

暴行された女性が犯人の顔をしっかりと覚えたつもりだったのに、真犯人は別人だった、とか、身近な人の体験したことを何回も語っているうちに自分の身に起きたことと勘違いしてしまうこと、など、様々な事例が取り上げられています。
えひめ丸の沈没を引き起こした潜水艦の艦長も、見えていたはずの船を見落としていました。

車を運転しながら携帯電話で話すことの危険性も取り上げられています。
携帯で話していると誰でも注意がそがれてしまうということ。
助手席の人と話すのは禁止しなくていいのか、という意見に対して、同乗者は、運転手に話しかけるときに、難しい判断を必要とするような話はしないものだし、危険を察知して教えてくれることもできる、と反論しています。なるほど。

他にも、いつも見ていて知っているつもりの物事だって実は知らないんだよ、ということを、自転車の絵を描かせてみればわかる、と述べています。
確かに、自転車の仕組み、ってわかっているようでわかっていない、とあらためて見直してしまいました。

自分の知識や能力についても多くの人は、過信している、だとか、サブリミナル効果やモーツァルトの音楽を聴くと頭がよくなるというのが嘘であることなどが、実験結果を元に証明しています。

人間の知覚にまつわるいろいろな話が出てきて興味深い一冊です。


錯覚の科学 (文春文庫)錯覚の科学 (文春文庫)
クリストファー チャブリス ダニエル シモンズ Christopher Chabris

文藝春秋 2014-08-06
売り上げランキング : 1454

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング参加中。今日は何位かな?
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

「プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?」 

「プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?」を読みました。

本を読んでいるときに頭の中で何が起こっているかについて、書いてある本です。

古代の文字がどのように発見され、文字の起源がどのようなものであったか。
アルファベットはどのように誕生したのか。
当時、ソクラテスが書き言葉の普及を非難したこと。
子どもはどのように読むことを身に着けていくのか。
熟達した読み手の脳の中では何が起きているのか。
ディスレクシア(読字障害)の原因は何か。

「読むこと」についての様々なことが、最新の脳科学の研究成果を紹介しながら述べられていて、知的好奇心を満たしてくれる本です。

子どもたちが文字を読む準備を始めるのは、「読み聞かせ」からであり、子どもたちに絵本を読んであげることの大切さをあらためて確認しました。

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?メアリアン・ウルフ 小松 淳子

インターシフト 2008-10-02
売り上げランキング : 86657


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング参加中。今日は何位かな?
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

【ノンフィクション】「境界を生きる 性と生のはざまで」 

「境界を生きる 性と生のはざまで」を読む。

毎日新聞で連載の「境界を生きる」というシリーズを本にしたもの。
生まれつきのホルモンの異常や、染色体の異常により、見た目の性別と染色体上の性別が違ったり、あいまいだったりする「性分化疾患」。
身体的な性別と心理的な性別が一致せず、体に強い違和感を覚えて悩む「性同一性障害」。
性同一性障害は、ドラマなどで取り上げられることもあり、知っている人も多くなってきたと思うが、「性分化疾患」はまだまだ知られていない。

この本を読んで衝撃的だったのは、これらの疾患の人々の悩みは深く、自殺を選択する人が多い、ということだ。
今の日本では、男性には男性の、女性には女性の生きづらさがあるか、性別で悩む人々は、それらを超えた「生きづらさ」がある。自分で選んだのではない生まれつきの疾患により「死」を選ばざるを得なかった人々の悩みはどれだけ深かったのだろう。
日常生活においてちょっとした書類にも「男・女」の記載欄があり、こういう書類を記入するたびに大きなプレッシャーを受けることだろう。アイデンティティーの問題でもある。
学校生活も男子、女子とはっきりわかれて過ごすことが多く、登校することが苦痛になる。
就職や、法律面、治療にかかる費用など、いろんな面で差別や困難にぶちあたる。

本書では、先進的な例としてカナダの取り組みを紹介している。
彼らにどう対応していくか、ということが「人権」を守る国かどうかの試金石なのかもしれない。

ブログの記事では、この本の内容を十分に紹介できなくてもどかしく感じている。
この本の最後は、「無関心という『罪』をこれ以上深めてはならない。」という一文で締めくくられている。
ぜひ、多くの人にこの本を読んで、理解を深めてほしい。

境界を生きる 性と生のはざまで境界を生きる 性と生のはざまで
毎日新聞「境界を生きる」取材班

毎日新聞社 2013-02-26
売り上げランキング : 145964

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング参加中。よかったらご協力をお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ

「キャパの十字架」沢木耕太郎 

沢木耕太郎「キャパの十字架」を読む。

フォトジャーナリズムの世界でもっとも有名な一枚の写真「崩れ落ちる兵士」。

スペイン戦争時に、共和国軍兵士が敵である反乱軍の銃弾にあたって倒れるところを撮ったとされるこの写真に関して、キャパは生前何も語らなかったという。
そのため、この写真に関しては幾つもの謎が残されている。

これはいつのことなのか。
写真が撮られたのはどこなのか。
この人物は誰か。
どのような状況なのか。
誰が撮ったのか。
どのように撮ったのか。

倒れつつある兵士は、撃たれたのかそうでないのか。
死んだのか、そうでないのか。

これらの謎について、1つずつ解き明かして真実にたどり着くまでを描いている。
著者と一緒に謎解きをしている気分で、ミステリーを読むような面白さである。
ゲルダ・タローのことをもっと知りたくなった。

キャパの十字架キャパの十字架
沢木 耕太郎

文藝春秋 2013-02-17
売り上げランキング : 20484

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


キャパの手記「ちょっとピンぼけ」を読んだのは、随分前のこと。
再読したいが、どこにあるかわからない。
ちょっとピンぼけ (文春文庫)ちょっとピンぼけ (文春文庫)
ロバート・キャパ 川添 浩史

文藝春秋 1979-05
売り上げランキング : 27659

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ブログランキング参加中。今日は何位かな?
にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村